レビュー:ラフロイグ1998 21年熟成 誰かが遠くで・・・

Laphroaig 1998 21yo 曽根物産70thボトルを飲んだ。




その香りは、分厚いウッドベース、レモン、軽やかなのに重厚。
口に含む。木目の詰まった木の表面を撫ぜる。滑らかなその表面に反射する光のにぶさよ。
誰かが遠くでパイプをふかしているみたい。

あからさまなラフロイグではない。円熟したラフロイグ。


KawasakiPoint 89p



和紙が雰囲気出す


21年熟成




アルコールボリューム高め、500ボトル


濃い、樽の出たラフロイグ





誰かが遠くで・・・

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レビュー:Glen Grant 1992 24yo 秋の透明な空気に・・・

Glen Grant 1992 24yo from SMWS 9.119(スコッチモルトウィスキーソサエティの9.119、グレングラント1992年蒸留 24年熟成)を飲んだ。89点。

通称「ソサエティ」からのリリース。ラスト1年を赤ワイン樽で熟成したグラントだ。グラントは比較的スッキリした味わいなので、変化が付いているだろうか。さあ、どんな味わいだろう?






【評価】
グラスを鼻に近づける。日曜の午後に湖に浮かべたボート。秋のキャンプは焚き火を。丸太に腰掛け塩おにぎりを。
口に含む。おお、具は塩昆布の香り。秋の透明な空気に、オレンジ色の光線がやわらかく溶け込む。
遠くで鳥の鳴き声が聞こえる。少し肌寒い夕暮れの味。
丸太に腰をおろし、その子の頭を撫でる。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:Glen Grant (グレングラント)
地域:Highland(ハイランド)
樽: Bourbon & 1st fill red wine(バーボンと赤ワイン樽フィニッシュ)
ボトル:SMWS(ソサエティ)














レビュー:カリラ 1997 22年 あかあかと燃え上がる・・・

Call ila 1997 22yo for FEIS ILE 2019(カリラ1997年蒸留 22年熟成 アイラフェス2019向けリリース)を飲んだ。86点。
カリラの20年オーバーがちょっとずつ珍しくなってきた。アイラ島で毎年開かれるウィスキーの祭典、アイラフェス。どの蒸溜所もこのお祭り向けにオリジナルボトルをリリースする。



【評価】
グラスを鼻に近づける。香りが鼻腔までとどくと・・・一日中焚き火して今は夜。あたりに黒い炭が散らばる。あかあかと燃え上がる炎。しんとした夜にパチパチと大きな音を立てる。
グラスの液体を口に含む。ライムジュースを飲むそばで、角砂糖を口に含む子ども。小さな瞳に炎がキラキラと映る。
丸太に腰をおろし、その子の頭を撫でる。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:Call ila (カリラ)
地域:Islay(アイラ島)
樽: Bourbon (バーボン)
ボトル:Distillery Bottle(オフィシャル)













レビュー:ベンリネス 20年 夏のしぼりたての・・・

Benriness 20yo by CADENHEAD(ケイデンヘッドからリリースされたベンリネス20年熟成)を飲んだ。89点。

ウィスキーに季節があるなら、これは夏だろうか。



【評価】
グラスから立ち上る香りは、夏のしぼりたてのきんかん、ぽんかん。風鈴の音が聞こえ、入道雲がもくもくしてる。
口に含む。木で作った小さな船、小川にサラサラ流す。柑橘を氷の張った冷たい水に放りこむ。
このウィスキーは、花火でも見ながら飲みたい。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:Benriness(ベンリネス)
地域:Highland(ハイランド)
樽: Bourbon (バーボン)
ボトル:CADENHEAD (ケイデンヘッド)








レビュー:カリラ 2005 12yo 雨が降ってきたが・・・

Caol ila 2005 12yo by Gordon & Macphail(信濃屋セレクトのゴードンマクファイルからカリラ2005 12年熟成)を飲んだ。84点。
カリラ、と発音するこのお酒は、Caol=海峡、ila=アイラ島、というゲール語。アイラ島の海峡を意味し、実際にカリラ蒸留所は、アイラ島と隣のジュラ島との海峡に面している。
海の近くで作られたウィスキーには、海のフレーバーがつく。本当のところ、原理はよくわかっていないらしいのだが、どうでもいいと思う。味わってみればいい。

さて、このボトルはどんな味わいだろうか。

カリラ2005蒸留12年熟成 G&M

【評価】
グラスを傾け鼻に近づけると、コンクリートの護岸に荒々しく打ち付ける波。雨が降ってきたが、赤々と燃え続ける一斗缶の炎。ジャンパーのポケットに入ったグレープフルーツの玉。
香りを楽しんだ後、液体を少量そっと口に含む。屋内に入って、上手い人のピアノを聞く。窓ガラスに打ち続ける雨。ストーブの上のヤカンは湯気を激しく吹いている。
内省的な雨の日の無音の瞬間。

【Kawasaki Point】
84point

【基本データ】
銘柄:Caol ila(カリラ)
地域:Islay(アイラ島)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:Gordon & Macphail(ゴードン&マクファイル)


ゴードンマクファイルの鹿が凛々しい


2005年熟成 そのころ何してましたか?

2016年瓶詰
護岸に荒々しく打ち付ける波


赤々と燃え続ける一斗缶の炎

内省的な雨の日の無音の瞬間