2013年8月15日木曜日

そもそもウィスキーとは何か?(前編)

ついうっかりしていて、「ウィスキーってなんだっけ?」という疑問に答えていなかった。
ウィスキーブログとして迂闊だった。
Wikipediaに載っている歴史とか科学とかはさて置き、ここでは飲み手としてのウィスキーを語ろう。

  • ウィスキーってどんな美味しさなの?
  • なんで人は他の酒がある中でもウィスキーを飲むの?

といった観点から、ウィスキーとは何かを紹介しよう。



ウィスキーの美味さは、その香りにあり

なぜ人がウィスキーの虜になるのか、その秘密は香りにある。ウィスキーの香りは、ほぼ香水なのだ。なんでも一杯のウィスキーには、数千の香りが含まれているとか。代表的な香りは、、

  • 木の香り
  • バニラの香り
  • チョコレートの香り
  • 花の香り
  • レモンの香り
  • リンゴの香り
  • 煙の香り
  • 皮の香り

などがある。(詳しくはこのブログのさまざまなテイスティングコメントを参考にしてほしい)
なぜ多様な香りを凝縮できるのか?それは香水と同じで、「蒸留」という神秘的なテクニックを使うからだ。


蒸留して、樽で寝かせるから神秘的に香る


香りだけなら、ワインもビールも豊富ではないか、と思うかもしれない。
確かに香りの「豊富さ」ではワインもビールも素晴らしいのだが、ウィスキーの香りは「豊富」であると同時に、「凝縮」しているのだ。たった1滴の中から宇宙が見えるような、香りの爆発。それがウィスキー特有の「香り体験」をつくりだす。

なぜウィスキーの香りは、香水のような、エッセンシャルな香りの「凝縮感」があるのか。
それはワインにもビールにもない「蒸留」という工程が2つの効果を生み出すからだ。

ひとつ目の効果は、蒸留することで香り成分を取捨選択できること。これは蒸留器の「形状」によってコントロールできる。香りの科学だ。

ふたつ目の効果は、アルコール度数を高めることで木の樽の香りを最大限に得られること。
ワインもビールも(ついでに日本酒も)、蒸留していない醸造酒で、アルコール度数は高くても20度程度だ。ウィスキーは、醸造酒をぐつぐつ煮て「蒸留」してつくるから、蒸留したてのウィスキーの原液は60度以上ある。ここがポイントで、木の樽はアルコール度数が60度程度のとき、たくさんの香り成分が溶け出すという。
だから、人類が「蒸留」という技術を手に入れないと出会えなかった自然の香りが、ウィスキーには含まれているのだ。

ウィスキーのできるプロセスはざっくり4つ。香りに注目してみよう。

  1. 自然の原料を採取、加工
  2. 微生物の力で醸造(香り成分とアルコールが生まれる)
  3. 蒸留器で蒸留(好ましい香り成分だけ抽出し、アルコールを凝縮させる)
  4. 木の樽で熟成させる(木の香り成分と、その土地の風の香りもついていく)

大まかに言えばワインやビールは「2」番どまり。3番以降は、人類が「蒸留」という技術を手に入れるまでは出来なかったのだ。(当時はあまりに神秘的すぎて魔術の一種と思われていたようだ)

ここまででも、ウィスキーのユニークさ(独自性)が分かってもらえたと思う。数千の香りが凝縮したウィスキーを口に含んだ際の、その香りの爆発はウィスキー特有のものだ。
「なぜ人がウィスキーを飲むのか」の秘密に少し迫れたと思うが、もうちょっとロマンティックな話もしておかなければならない。でもそれはまた、後半に引き継ごう。


後編はこちら
そもそもウィスキーとは何か?(後編)



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