レビュー:カリラ22年 ケイデンヘッド 石の寡黙さ

WILLIAM CADENHEADのCAOL ILA 22yo(ウィリアム・ケイデンヘッドのカリラ22年熟成)を飲んだ。87点。
ケイデンヘッドは老舗のボトラー。

アイラ島のカリラ、どのような表情を見せてくれるのか。

【評価】
グラスから立ち上る香りは、雨上がりのウッドデッキ、線香と灰。灰の向こうに複数の果物。ライトアップされた橋。暗闇の中で最低限のラインが浮かび上がっていて、海からの潮風が髪をそよぐ。
口に含んだ印象は、冷たい御影石の上に手をおいて、果物を眺めながら葉巻に火をつけようとしている。木の椅子に座っている。
フルーティな余韻を残しながら、石のような寡黙さ。花のようであり、石のようであるウィスキー。

【Kawasaki Point】
87point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: CAOL ILA 22yo(カリラ22年熟成)
地域:Islay (アイラ)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:WILLIAM CADENHEAD, ウィリアム・ケイデンヘッド

長熟(22年)のカリラはどこかフルーティ
ライトアップされた夜の橋のような、潮風を感じる香り
フルーティな余韻を残しながらも、
石のような寡黙さも持っている

カリラ蒸留所は海峡に位置している。「Caol Ila」とはゲール語で「アイラ海峡」のこと。

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レビュー:バランタイン12年 特級 オールドゴージャスの深み

Ballantine's 12yo '70~80 (バランタイン12年熟成 特級表示)を飲んだ。89点。
おそらく70~80年代のボトルだろう、今回未開封のこのボトルを開けることにした。
かなり個性的で、キャップの部分がゴージャスなのだ。

特級表示のBallantine's12yo オールドゴージャス


【評価】
グラスから立ち上るのは、ミツバチの飛ぶ花畑。香りは生きている。木の板に擦り付けたハチミツ。リンゴ。おだやかで、とげのない酸味。
口に含めば、木の苦味を感じながらゆっくりと物語が始まる。暑い夏の日、秋の紅葉、落ち葉を踏みしめる、冬の窓辺、春の日の午後。モルトとグレーンの融合。オールドボトルだからこんなに融合しているのか、はたまた以前のバランタインはこうであったのか。
四季の思いをめぐらすに値する、その深みを湛えたウィスキー。

現行のバランタインは輪郭がハッキリしているが、このボトルは輪郭が曖昧だ。しかし香味の主張は決して曖昧でなく、バランスを保っている。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Ballantine's 12yo '70~80 (バランタイン12年熟成 特級表示)
地域:Islands, Highland, アイランズ、ハイランド など
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

この佇まい

オールドゴージャスなキャップ

印象的な「12」のフォント

中は空洞のようだ

VERY OLD SCOTCH WHISKY

ジョージ・バランタイン&サン

ノスタルジックな「ウイスキー特級」表示

ゆっくりと傾けていくと・・・

トクトクトク・・・

キャップの中にウィスキーが入り、倒立する。


キャップの仕掛けはこうなっていた
このプラスチックの芯のおかげで、
コルクがボロボロにならず、保存状態は極めてよかった。

ミツバチの飛ぶ花畑。香りは生きている。

思いをめぐらすに値する、その深みを湛えたウィスキー


レビュー:余市15年 目覚めをもたらす

余市15年熟成(Yoichi 15yo)を飲んだ。89点。

シングルモルト余市15年熟成


【評価】
目を閉じ、グラスから立ち上る香りをかげば、、白い花に鼻を近づけている、ふっと顔を上げて見れば、同じ白い花が群生している。うっすらとハチミツが香り、スパイスが軽やかに調和する。木の板に耳をくっつけて、その歴史を聞いているかのよう。
ウィスキーを口に含めば、素晴らしい勢いで、群生する花々、スパイスの数々が通り過ぎる。鮮やかなスパイスの残像に、ほのかにリンゴが香る。
うっとりさせない、目覚めをもたらすウィスキー。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:余市15年熟成(Yoichi 15yo)
地域:余市、北海道、Yoichi, Hokkaido
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

15yo

少し色あせた演出

素晴らしい勢いで、群生する花々、スパイスの数々が通り過ぎる

うっとりさせない、目覚めをもたらすウィスキー

余市蒸留所は海の近くにある。ズームアップして場所を確かめてみて。

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レビュー:余市12年 時間をかけて愉しむ

余市12年熟成(Yoichi 12yo)を飲んだ。83点。

シングルモルト、余市12年

【評価】
グラスに鼻を近づければ、すっきりとした樽の香り、スパイシー、潮、少しだけ焦がした麦。
冬の土の香り。奥深い。湿布。
口に含めば、温かく、燃えるようなアルコール、焦がした麦、あと一歩でもっと奥深い。
ライトさもあるが、ゆっくりと温かさを残す。
時間をかけて愉しむタイプのウィスキー。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄:余市12年熟成(Yoichi 12yo)
地域:余市、北海道、Yoichi, Hokkaido
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ジャパニーズウィスキーは大体墨字、余市も例外でない

すっきりとした樽の香り、スパイシー、潮、少しだけ焦がした麦。

ライトさもあるが、ゆっくりと温かさを残す

北海道は余市蒸留所の場所を、地図の「+」ボタンを押して確かめてみて。

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