レビュー:山崎ミズナラ 2012 爽やかなのに重みもある

山崎ミズナラ 2012(YAMAZAKI MIZUNARA 2012) を飲んだ。88点。
このボトルは限定1,000本で、人気の割りに希少だ。
ミズナラは木材のこと。普通ウィスキーの樽には、アメリカンオークやヨーロピアンオークを用いるが、ミズナラはジャパニーズオーク。このミズナラ、樽につかう木材としては、最悪だ。水が漏れやすいという欠点がある。戦後、ウィスキーに適したオークが手に入らなかったので、“仕方なく”欠点のあるミズナラを使ってみた。案の定、美味くなかった。ただ、しばらく放っておいたり、何度か使ってみたりするうちに「あれ、美味くなっているじゃないか!しかも独特のうまみだ!」という発見があった。誰も期待しなかったミズナラは、ジャパニーズ・ウィスキーのオリジナリティとなった。
山崎12年など、“山崎シリーズ”に使われている樽のひとつ(山崎として売り出しているシングル・モルトは、他にもシェリー樽やバーボン樽などのさまざまな原酒を合わせている)。
今回のボトルはミズナラ樽のみを使用している。


【評価】
グラスから立ち上る香りは爽やか、若さが瑞々しい。ほんのり焦がした香り。柔らかで芳ばしい樽香がうまみを伝える。新築の木の家。
グラスを傾け、口に流し込めば、爽やかで柔らかな口当たり。苦味がほんのりとうまみを引き立てる程度に抑えられている。そして通常は口全体で感じるモルトの重みがなく、なぜか舌の上だけに重みを残す。普通の樽ではありえない感覚。
爽やかなのに重みもある独特なウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:山崎ミズナラ 2012(YAMAZAKI MIZUNARA 2012)
地域:山崎、大阪 YAMAZAKI, OSAKA
樽:MIZUNARA, ミズナラ
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


ミズナラは、ジャパニーズ・ウィスキーのオリジナリティ

若さが瑞々しい。ほんのり焦がした香り。

柔らかで芳ばしい樽香

爽やかなのに重みもある独特なウィスキー。

日本は大阪の山崎蒸留所の場所を地図で確かめてみて。
大事な勝負、という意味で使う「~~の天王山」という表現はこの地が由来。
昔、秀吉が光秀と戦った地であり、千利休が秀吉のために茶室をひらいた地でもあるのが山崎なのだ。

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