Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: 4月 2018

レビュー:グレンアラヒ 1992 23yo Cadenhead あの喧騒は一瞬で・・・

Glenallachie 1992 23yo Series of Small Batch by Cadenhead(グレンアラヒ1992年 23年熟成 ケイヘンヘッドのスモールバッチシリーズ)を飲んだ。81点。

WとMとCが重なったロゴでおなじみ、William Cadenhead(ウィリアム・ケイヘンヘッド) は信頼できるボトラーのひとつだ。

さて、このボトルはどんな香味だろうか?

グレンアラヒ 1992年蒸留 23年熟成 by ケイデンヘッド

【評価】
その香りは、夏のクヌギ。蜜。火薬!
口に含む。午前の光を浴びたフラワーウォーター。ガスライター。侘しい夜の花火あと。
あの喧騒は、、一瞬で遠くにいってしまった。

【Kawasaki Point】
81point

【基本データ】
銘柄: Glenallachie (グレンアラヒ)
地域:Highland(ハイランド)
樽: Sherry(シェリー)
ボトル:William Cadenhead (ケイデンヘッド)

非常に美しいロゴだ

夏のクヌギ。蜜。火薬! 

午前の光を浴びたフラワーウォーター



侘しい夜の花火あと。

あの喧騒は、、一瞬で遠くへいってしまった。

Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: 4月 2018

レビュー:クライヌリッシュ 1995 21yo ELIXIR 客人が来ただろうか・・・

Clynelish 1995 21yo by Elixir Distillers(エリクサーディスティラーズよりクライヌリッシュ 1995年 21年熟成)を飲んだ。87点。

エリクサーディスティラーズは、去年までスペシャリティドリンクスと名乗っていたボトラーズ(瓶詰業者)だ。「エリクサー」といえば、よく中世ヨーロッパを舞台としたゲームや物語などでも妙薬として描かれているが、実際、ウィスキーやその元となった蒸留酒は不思議な力のある薬と信じられていた。アルコールは「酒精」とも言うが、火を大きくする精霊の力があると思われていた。今は多くの人がそれを化学だと受け止めているが、それでもまだウィスキーには「香味」の魔法が生きている、という点で同意できる人は多いはずだ。

さて、このエリクサーはどのような香味だろうか。

クライヌリッシュ1995年蒸留 21年熟成 エリクサーディスティラーズ

【評価】
グラスから立ち上る香りは、午後に焼いたばかりのクッキー。杏のジャムが中に入ってる。サクサクで、甘い。ドアステップを上がる靴音、客人が来ただろうか。
液体を口に含む。友人たちと過ごす甘く濃密なひと時。大人の会話が弾む。明るい食卓。ロウソク、食後には洋ナシ。
甘く痺れるような一日の疲れと、充実感。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄: Clynelish(クライヌリッシュ)
地域:Highland(ハイランド)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:Elixir Distillers (エリクサーディスラーズ社)


1995年10月蒸留

2017年9月ボトリング

午後に焼いたばかりのクッキー

ドアステップを上がる靴音、客人が来ただろうか



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: 4月 2018

レビュー:スカラ・ブレイ 1999 17yo 波に揺られながら・・・

Skara brae 1999 17yo coopers choice(クーパーズチョイスのスカラ・ブレイ1999 17年熟成)を飲んだ。84点。

「スカラ・ブレイ」とは何か。調べてみると、紀元前3,000年ぐらいまえの新石器時代の遺跡だそうだ。石でできた建造物の集落で、長いあいだ土に埋もれていたが、1850年の冬の嵐が土を根こそぎはぎ取って、4,800年ぶりにその姿をあらわしたのだというから、謎めいている。
ちなみに、オークニー諸島に位置している。オークニー諸島といえば、ハイランドパークやスキャパといった蒸留所で有名だ。このボトルにも「THE SECRET ORKNEY」とあるので、オークニーの“とある蒸留所”のものだろう。とある・・・まあ、そっとしておこう。

さて、どんな香味だろうか。

スカラ・ブレイ 1999年蒸留 17年熟成

【評価】
グラスから立ち上る香りは、少し錆びたボートとその古い床。晴れた日の午後。島影からでて、魚を獲りにいこう。ハニートーストのランチ。焦げと、釣り針と、飛沫。
口に含めば、カラフルな魚たちが泳ぐ姿。アッサムにハチミツ。波に揺られながら、午睡のひととき。
麦わら帽子を、顔にかぶせる。

【Kawasaki Point】
84point

【基本データ】
銘柄: SKARA BRAE(スカラブレイ)
地域:Islands (アイランズ)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:Cooper's Choice (クーパーズチョイス)

1999年蒸留で17年熟成

少し錆びたボートとその船底

ハニートーストのランチ。焦げと、釣り針と、飛沫。

波に揺られながら、午睡のひととき。



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: 4月 2018

レビュー:コンバルモア1984 23yo 心が晴れ渡る・・・

CONVALMORE 1984 23yo by GM Connoisseurs Choice Series(G&M社のコニサーズチョイスからコンバルモア 1984 23年熟成)を飲んだ。81点。

コンバルモアは、すでに閉鎖した蒸留所だ。蒸留所が閉鎖したらそのウィスキーの価値が上がるように受け取られるフシがあるが、本来的には今その蒸留所が稼働しているかしていないかと、ウィスキーの価値とは無関係だろう。ただ、「もうないもの」に特別な感情を抱くのは、人間のさがなのだろう。

さて、このボトルはどんな香りを運んでくるだろう。

コンバルモア1984-2008 23年熟成

【評価】
グラスから立ち上る香りは、白樺と白桃と梨。わずかに香るパイプ。ゆったり雲が流れて、地平線が広がる大地を車で進む。
口に含む。目当ての沢にたどり着いて、岩に腰掛けおにぎりを喰う。笹に包まれた梅干しの握り。
心が晴れ渡る青い空を見上げる。

【Kawasaki Point】
81point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: Convalmore (ロングロウ)
地域:Highland(ハイランド)
樽: Sherry(シェリー)
ボトル:Gordon & MacPhail (ゴードンマクファイル)

1984年熟成




スぺイサイド(スペイ川流域)

コンバルモアはダフタウンの4番目の蒸留所として1893年に創立された。
1985年に役割を終えた。


Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: 4月 2018

レビュー:グレンファークラス2005 クリスマスモルト 口の中で弾ける・・・

Glenfarclass 2005 10yo 2016 Christmas bottle(グレンファークラス2005年蒸留 10年熟成 クリスマスモルト)を飲んだ。86点。

クリスマスといえば思い出すのが、グレンファークラス。「クリスマスモルト」と銘打ったボトルをリリースするからなのか、濃いシェリーの香りにほっこりできるからなのか。
寒い日にあたたかな家でちょっと出てくるとうれしくなる銘柄だ。

さて、このボトルはどんな香味だろうか。

グレンファークラス 2005年蒸留2016年ボトリング 10年熟成 クリスマスモルト

【評価】
グラスから立ち上る香りは、古き良きシェリー熟成。甘さの中にふくよかなスパイス。ブルースハープ。
グラスを傾け、液体を口に含む。スパイスたちが口の中で弾けるが、甘くておっとりとしたクッションの中でそれは起こる。
これは雪道をあるいてきたご褒美だろうか。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄: Glenfarclas(グレンファークラス)
地域:Highland(ハイランド)
樽: Sherry butt(シェリー)
ボトル:Distillery Bottle (オフィシャル)

金字のラベル。クリスマスムード。

for the Whisky Hoop

ブルースハープな香り

 
雪道を歩いてきたご褒美だろうか







Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: 4月 2018

レビュー:ロングモーン 1990 26yo シグナトリー 絵本を広げて・・・

LONGMORN 1990 26yo by Signatory(シグナトリー社のロングモーン1990 26年熟成)を飲んだ。89点。

ロングモーン蒸留所は、あまり聞かない名前かもしれない。ただ、実はとても日本と縁が深い蒸留所だ。というのも、日本にウィスキーをもたらした功労者の竹鶴正孝(数年前のNHKドラマ「マッサン」のモデル)が、ウィスキーづくりを学んだ蒸留所のひとつが、このロングモーン蒸留所だ。
歴史的には、ロングモーンがあって、今の山崎蒸留所、余市蒸留所がある、といってもいいほどの、重要な蒸留所なのだ。

さて、歴史は歴史として、このボトルは、どのような香味なのだろうか。

ロングモーン 1990年蒸留 26年熟成 シグナトリー社

【評価】
グラスにそっと鼻を近づけ、ゆっくり鼻で息をする。体全体を包み込むようなふかふかのソファ。絵本を広げて、お話を聞かせよう。スイカやメロン、クヌギの蜜。
液体をそっと口に含めば、パチパチと暖炉の火が燃える。ローテーブルのスイカの皮。子供が寝た後、静かなひととき。
幸せの疲れと、それを癒す余韻。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄: Longmorn (ロングモーン)
地域:Highland(ハイランド)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:Signatory (シグナトリー社)

樽のサイズはHogshead。世界で194本。

1990年蒸留 2016年瓶詰

体全体を包み込むようなふかふかのソファの香り


子供が寝た後、静かなひととき。





Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: 4月 2018

レビュー:ロングロウ1998 19年 澄んだ音色と心地よいノイズ・・・

Longrow 1998 19yo (ロングロウ 1998 19年熟成)を飲んだ。86点。

1998年といえば、映画『タイタニック』がアカデミー賞を総なめした年だ。今、あの頃のレオナルド・ディカプリを見ると(当然ながら)若いなと思う。
そんな今は昔、1998年に蒸留され、樽の中でじっと2017年まで熟成を進めていたウィスキーをボトリング。

「ロングロウ」はスプリングバンク蒸留所のリリースしている、スモーキーなブランドだ。

さて、どのような香味だろう。

ロングロウ 1998年蒸留2017年ボトリング (for ウィスクイー)

【評価】
その香りは、琴の音色のような澄んだ甘み。建築材としての竹の柔らかさと確かさ。スパイスが効いていることで、この琴の音色はさらに伸びやかになる。
口に含めば、七色に光るスパイス。色めくスパイスの奥側に、しっかりとした木の年輪を感じる。
澄んだ音色と心地よいノイズ。小気味好いリズムのウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄: Longrow (ロングロウ)
地域:Campbeltown(キャンベルタウン)
樽: Sherry(シェリー)
ボトル:Distillery Bottle (オフィシャル)

Peated Cmpbeltown Single Malt Scotch Whisky






色めくスパイスの奥側に、しっかりとした木の年輪





Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: 4月 2018

レビュー:ラフロイグ レガシーエディション 赤レンガ同士をぶつけた・・・

Laphroaig Legacy Edition(ラフロイグのレガシー・エディション)を飲んだ。81点。

有名どころの「ラフロイグ」もいろんなバージョンがリリースされている。ボトルの「1815」はライフログ蒸留所の創業年だそうだ。Legacyは遺産とか、伝承というニュアンスなので、Theを冠した1815と重ねれば、「創業から受け継いだ確かなもの」という意気込みの表れとも読み取れる。

さて、どんな香味だろうか?

ラフロイグ THE 1815 レガシー・エディション

【評価】
その香りは、赤レンガと、白木の上に薄く伸ばした灰。この灰は、備長炭を燃やした後のものだろうか。レコードから流れる甘酸っぱい青春フォーク。
口に含めば、硬派な大人の灰。赤レンガ同士をぶつけた時に上がる砂ぼこり。赤レンガの直線が壊れる時の衝撃を、上品に包んだウィスキー。

【Kawasaki Point】
81point

【基本データ】
銘柄: Laphroaig (ラフロイグ)
地域:Islay (アイラ島)
樽: 1st fill Bourbon(ファーストフィルバーボン)
ボトル:Distillery Bottle (オフィシャル)

蒸留所責任者は JOHN CAMPBELL

この灰は、備長炭を燃やした後のものだろうか


赤レンガ同士をぶつけた時に上がる砂ぼこり








Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: 4月 2018

レビュー:カリラ 2008 Cl8 カモメを遠目に・・・

ELEMENTS of ISLAY CAOL ILA Cl8(エレメンツ・オブ・アイラのシリーズで、カリラのCl8番)を飲んだ。84点。

「エレメンツ・オブ・アイラ」は、個性の強いアイラ島の蒸留所のウィスキーのシリーズだ。アイラウィスキーを構成する「要素(Elements)」をまるで切りだして魅せてくれるかのようだ。原酒がどこなのかは明かされる(今回はカリラだ)が、詳しいヴィンテージ(熟成年数)は不明。
ボトルのデザインは、「研究室」のコンセプト。洒落すぎず無骨さを残しているところがいい。

さて、どんな香味だろうか。

エレメンツ・オブ・アイラ Cl8 カリラ

【評価】
目を閉じる。その香りは、錆びた船底。長靴の底で砂利を感じながら歩く。カモメを遠目に眺めながら、鉄柱に手をやる。鉛色の空を眺める。
液体を少量口に含むと、ほっとする温かさを感じる。消毒薬、あんず、焚き火。静かな日。これは、休日の漁村。
寒い日の散歩のためにスキットルに入れるならこの酒だな。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄: Caol ila (カリラ)
地域:Islay (アイラ島)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:Speciality Drinks (スペシャリティドリンク)

55.2°

消毒薬、あんず、焚き火。


これは、休日の漁村。

この生牡蠣は、おまけ。ウィスキーをかけて食べよう。