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レビュー:カリラ 2005 12yo 雨が降ってきたが・・・

Caol ila 2005 12yo by Gordon & Macphail(信濃屋セレクトのゴードンマクファイルからカリラ2005 12年熟成)を飲んだ。84点。
カリラ、と発音するこのお酒は、Caol=海峡、ila=アイラ島、というゲール語。アイラ島の海峡を意味し、実際にカリラ蒸留所は、アイラ島と隣のジュラ島との海峡に面している。
海の近くで作られたウィスキーには、海のフレーバーがつく。本当のところ、原理はよくわかっていないらしいのだが、どうでもいいと思う。味わってみればいい。

さて、このボトルはどんな味わいだろうか。

カリラ2005蒸留12年熟成 G&M

【評価】
グラスを傾け鼻に近づけると、コンクリートの護岸に荒々しく打ち付ける波。雨が降ってきたが、赤々と燃え続ける一斗缶の炎。ジャンパーのポケットに入ったグレープフルーツの玉。
香りを楽しんだ後、液体を少量そっと口に含む。屋内に入って、上手い人のピアノを聞く。窓ガラスに打ち続ける雨。ストーブの上のヤカンは湯気を激しく吹いている。
内省的な雨の日の無音の瞬間。

【Kawasaki Point】
84point

【基本データ】
銘柄:Caol ila(カリラ)
地域:Islay(アイラ島)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:Gordon & Macphail(ゴードン&マクファイル)


ゴードンマクファイルの鹿が凛々しい


2005年熟成 そのころ何してましたか?

2016年瓶詰
護岸に荒々しく打ち付ける波


赤々と燃え続ける一斗缶の炎

内省的な雨の日の無音の瞬間


レビュー:グレンファークラス1987 30yo ファイナルファンタジー30周年記念ボトル

Glenfarclas 1987 30yo For FINAL FANTASY 30th anniversary(グレンファークラス1987 30yo ファイナルファンタジー30周年記念ボトル)を飲んだ。87点。

このボトルの原酒がグレンファークラス蒸留所で蒸留された年、日本でロールプレイングゲームの黎明期を支えることになる「ファイナルファンタジー」が発売された。ハードはファミリーコンピュータだ。あのクリスタルの幻想的な音楽と、天野喜孝氏の妖艶なイラストに支えられた世界観が、わずか8bitのCPUと2kのVRAMを通じて表現されていたなんて、今では信じられないぐらいだ。

ファイナルファンタジーシリーズは2018年の今年、30周年を迎え様々なイベントを行っているが、そのひとつとして、303本限定のリリースとなっている。ロゴアートはもちろん、天野喜孝氏によるものだ。

さて、どのような香味のするボトルだろうか。

ファイナルファンタジー30周年記念 グレンファークラス30年熟成

【評価】
グラスから立ち上る香りは、オレンジのグラッセ。オレンジピールの甘い苦味。ぐぐぐっと、落ち着く香り。木のベンチ。本を片手に寝落ちする秋。
口に含む。午睡は心地よく、空は高い。ふかふかの木の葉の道の公園は、よく整備され市民に愛されている。それは優雅なひと時を、端正に味わわせる。
都市的であり、文化的であるウィスキー。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄: Glenfarclas (グレンファークラス)
地域:Highland(ハイランド)
樽: Sherry(シェリー)
ボトル:Shinanoya (信濃屋)



1987年蒸留 2017年ボトリング 30年熟成

キーキャラクター「チョコボ」があしらわれている

オレンジピールの甘い苦味。ぐぐぐっと、落ち着く香り。

本を片手に寝落ちする秋。端正な香りは、しかし文学的でもある。