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Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: レポート:ウィスキーイベント

レビュー:SMWS 夏の試飲会 2015 ~12本のレビューを一挙掲載~

日がだいぶ長くなってきた。季節毎に開催されている、スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの夏の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Summer Bottles Sampling)
5,000円(会員4,000円)でニューリリースのウィスキー12本の試飲ができる、という会だ。スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ(“SMWS”、または単に“ソサエティ”などと呼ばれる)は、世界最大のウィスキー愛好家団体で、そのボトルの豊富さと、統一されたデザインのスタイルにはファンが多い。

さあ今回もテイスティングした12本のボトルをランキング形式で一挙紹介しよう。


12個のグラスが並ぶ。それぞれの味わい


第12位
35.131 Glen Moray 1994 19yo (グレンマレイ 1994 19年熟成) 
【Kawasaki Point】
56point
【評価】
その香りは、芳ばしいバターケーキ。キャラメル。アールグレイ。
口に含めば、じっくり焼きすぎた魚の焦げの部分みたいな。


第11位
59.53 Teaninich 1983 31yo (ティーニニャック 1983 31年熟成) 
【Kawasaki Point】
67point
【評価】
骨董屋。埃っぽい棚の上にいかにも重要そうに飾られた地球儀。
万年筆のインクを滲ませつつ書かれる領収書。


第10位
29.160 Laphroaig 1997 17yo (ラフロイグ 1997 17年熟成) 
【Kawasaki Point】
73point
【評価】
かつて診療所であった孤島の小さな建物。
寂しげな夕刻の日差しが窓から差し込む。


ウィスキーの静かな語らい



第9位
3.238 Bowmore 1997 17yo (ボウモア 1997 17年熟成) 
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
ヨードチンキ。い草。落ち着く香り。
どこか水のようなさらりとしたところもある。


第8位
1.187 Glenfarclas 1985 29yo (グレンファークラス 1985 29年熟成) 
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
夏の農作業。野焼き。
生のトウモロコシをかじったようなジューシーさ。


第7位
55.27 Royal Brackla 1997 17yo (ロイヤルブラックラ 1997 17年熟成) 
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
カラフルでトロピカルな鳥。バサバサと飛び立つ。アンリ・ルソーの夢。
しっかりとした生命力。剛健。


リリースされたウィスキーのカタログ


第6位
3.240 Bowmore 1998 16yo (ボウモア 1998 16年熟成) 
【Kawasaki Point】
84point
【評価】
わらび餅、きな粉。樹液。
口の中に少量の煙が広がって、思わず噛み締めたくなる。


第5位
36.84 Benrinnes 1989 25yo (ベンリネス 1989 25年熟成) 
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
清涼な山の空気。峰を眺める。稜線を指でたどる。爽やかな気持ち。
ドロップ飴をなめているかのような甘み。歩き疲れたあとの山頂でのハイなランチ。


穏やかな照明


同点第3位
37.63 Cragganmore 1985 29yo (クラガンモア 1985 29年熟成) 
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
小豆を蒸して、涼しげなゼリーに閉じ込めたような。和風の香草をいくつか。
涼しげな顔とは裏腹に、熱く溶け込み、口腔内を塗り替える。禅画の情熱的な筆致。


同点第3位
7.117 Longmorn 1990 24yo (ロングモーン 1990 24年熟成) 
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
森のコテージ、鳥の声。かみたばこのかおり。落ち葉の掃除。
古い本のページを少しめくる。集中できずに外に目をやる。ほっと一息つく。



さて、今回は2本が同点1位だ。どんなウィスキーたちだろうか?


そのウィスキーとは

同点1位
77.37 Glenord 2001 13yo (グレンオード 2001 13年熟成) 
【Kawasaki Point】
87point
【評価】
機械オイル、ガソリン。雨の中の作業で冷えたからだを、ヤカンの前で温めよう。
自らを温めるために飲む。男のウィスキー。


同点1位
30.84 Glenrothes 1980 34yo (グレンロセス 1980 34年熟成) 
【Kawasaki Point】
87point
【評価】
初夏の早朝、朝霧。森から抜けると、開けた草原。徐々に息を整える馬。
溶岩石に水が落ちる。滝のほとり。足を伸ばして馬と休もう。


注がれたウィスキーと、語らい


飲み語りしたあとで外にでると、驚くほどまだ明るく、暗くなる兆しも感じさせなかった。春のサンプリング会のときと違う明るさに、季節が移り変わったのだと、ふつうのコトながらしみじみ想う。
つぎのサンプリング会では、一体どのようなウィスキーに出会えるのだろうか。




Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: レポート:ウィスキーイベント

レビュー:SMWS 春の試飲会 2015 ~12本のレビューを一挙掲載~

移り変わる季節ごとに開催される、スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの春の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Spring Bottles Sampling)
5,000円(会員4,000円)でニューリリースのウィスキー12本が飲めるというイベントで、複数都市で開催されている。飲むといっても、まともに1杯ずつ飲んでいたら大変なので、実際には少量ずつ味わいを確認する。

世界最大のウィスキー愛好家団体といえばこの「スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ」だが――長いので呼称は「SMWS」とか単に「ソサエティ」とかが多い――蒸溜所に独自のコードをつけ、同じデザインのボトルで、中身だけ変えて会員に頒布している。その独特なボトルと「ソサエティ」という響き、イギリスはエディンバラに本部があることから、なんだかミステリアスな雰囲気が漂っている。


さて、今回も12本のウィスキーをランキング形式で一挙紹介する。

今回はどのようなウィスキーが?どのような香りが?
2015春のサンプリング会

第12位
55.25 Royal Brackla (ロイヤルブラックラ 1994 20年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
その香りは、黒タイヤ新品。鬱蒼とした森の中を散歩する。光は届かないがさまざまな香りに満ちている。
口に含めば、湿った土の上を踏みしめる。

同点第10位
85.30 Glen Elgin (グレンエルギン 1999 15年熟成)
【Kawasaki Point】
79point
【評価】
その香りは、蚊取り線香。
口に含めば、通り過ぎていく味わい。

同点第10位
123.9 Glengoyn (グレンゴイン 1998 16年熟成)
【Kawasaki Point】
79point
【評価】
漂う香りは、湖と夜中、黒い雲。
口に含んでみれば、湖に潜って、水が湧いてくるところが辿れるかのよう。

ほぼ同じボトルデザインだが、ボトルには蒸溜所を示す数字がある


第9位
7.104 Longmorn (ロングモーン 1989 24年熟成)
【Kawasaki Point】
81point
【評価】
グラスから立ち上る、スイカやブドウの瑞々しい香り。甘いガムすら彷彿させる。木材の角の部分に指を当てて、その直角さを味わいながら指で長辺をまっすくなぞる。
口に含めば、濃密な味わいが絡まって、ほどけずにそのまま徐々に消えていく。
謎めいたままのウィスキー。

第8位
3.228 Bowmore (ボウモア 1987 26年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
グラスに鼻を近づければ、保健室の消毒液。ヨード。古い軽油で動くエンジン。ガレージ。
古き良きボウモア。

同点第6位
4.200 Highland Park (ハイランドパーク 1999 14年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
グラスから立ち上る香りをそっと吸い込む。ブレッド、スウィートコーン、水時計。透明な着色液体が落ちるのをずっと見ている。切ったばかりの切り株。
口に含めば、スッキリしているのに血が踊るような熱さを秘めている。

12個のグラスが並ぶ

同点第6位
72.38 Miltonduff (ミルトンダフ 1984 28年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
香りの中を覗いてみる。アンティークショップの鉄とガラスの扉を開けると、古い木の香りがする。ドアにはベルが付いていて透き通ったような、くぐもったような音がなる。
グラスを傾け口に含めば、ダージリンティーと一緒に出された小さなクッキー。砂糖を一個紅茶に入れる。
ホッとする午後。

同点第4位
53.216 Caol Ila (カリラ 1993 21年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスから立ち上るアロマは、牧草地、干し草。鍬。泥と野焼き。
口に含む。赤黒く日焼けした農夫の深い皺。優しい笑顔。

同点第4位
44.62 Craigellachie (クレイゲラヒー 1990 24年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
その香りをかぐ。夏、蚊帳、物語。い草と風鈴。涼しい風と心地よい眠り。
口に含めば、まるでハチミツを口の中で溶かしてるような。
うとうととして、心地よい夢を見続けていたいような。

参加者はさまざまに愉しむ

第3位
29.158 Laphroaig (ラフロイグ 2000 14年熟成)
【Kawasaki Point】
87point
【評価】
グラスから立ち上る香りをかぐ。万年筆の液が漏れて、原稿を拭いていると、チキンのグリルを少し焦がしてしまった。ログハウスでの出来事。
口に含む。映像は続く。棚の奥から出してきたウィスキーを、タンブラーで飲み始める。パイプをくゆらす。

第2位
48.52 Balmenach (バルメナック 2001 13年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
その香りは、扇風機とピーチ。冷んやりしたアイス。
口に含む。ずっと舐めていられるキャンディーを手に入れた子供のように。少しのキャラメルのコクも味わう。



さあ、今回の1位はなんだろうか?

酔っ払わないよう注意!

第1位
30.83 Glenrothes (グレンロセス 1980 34年熟成)
【Kawasaki Point】
89point
【評価】
グラスから立ち上るのは、ヴィブラフォンの右端を鳴らしたような透き通った香り。鉄のペダルを踏むとわずかに広がりながら倍音が響く。明け方の海岸で見つける火の跡。炭になってる木片を足で少しずらす。
口に少量含む。フェリーが通って波が大きくなり、水しぶきが口の中に入る。すこししょっぱい。
音楽になる静けさ。



サンプリング会は終わった。日が長くなり始めたこの頃は外がまだ明るい。少し肌寒いが、冬を思えばむしろ暖かささえ感じる。
振り返ってみて、今回はどのボトルもおおむね満足度が高かった。これはほとんどの参加者が感じたようだ。それでももちろん、各々が一押しにするウィスキーは異なっており、それぞれの意見を交換し合った。どの表現も素晴らしく、敬意を払われていて、参加者はウィスキーを愉しむのと同じぐらいその語らいも楽しんだ。




Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: レポート:ウィスキーイベント

レビュー:SMWS 秋の試飲会 2014 ~13本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの秋の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Autumn Bottles Sampling)
この試飲会は、季節ごとに開催される、5,000円(会員4,000円)で12~13本のウィスキーがテイスティングできるおトクなイベントだ。

SMWS、スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティという長い名前は、世界最大のウィスキー愛好家団体のことをさしている。世界各地の樽を買い付け、よい頃合いに“樽出しそのまま”でリリースされるそのボトルは、会員でしか買えないが、バーなどではお目にかかることがある。

今回も13本のウィスキーのレビューを、ランキング形式で一挙掲載する。

同じボトルデザイン。ラベルだけが違うSMWSのボトル。

第13位
121.72 Isle of Arran 1998 15yo(アラン 1998 15年熟成)
【Kawasaki Point】
56point
【評価】
その香りは、松林、チョコレートの銀紙。
口に含めば、チョコレートケーキの欠片。
鳥が飛び去った後、羽音を思い出すような、一瞬の、あまり気に留めない出来事のような。


第12位
95.16 Auchroisk 1990 23yo(オスロスク 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
68point
【評価】
香りは、カカオの多いチョコレート。カラメルを焦がす。
口に含めば、砂糖が弾けて、チョコレートブラウニーを食べる感じ。

 
同点第9位
1.181 Glenfarclas 2002 11yo(グレンファークラス 2002 11年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
香りは甘酸っぱい。使い込んだ木のデスク、インクが沁みている。校庭に現れた夏のカゲロウ。
口に含めば、その印象は攻撃的なようで、静かである。誰もいない図書室で読みふける本。


同点第9位
29.155 Laphroaig 1995 18yo(ラフロイグ 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、高音だけで奏でたヴァイオリン三重奏。厳しい冬の寒さと、その寒さのための心ばかりの一斗缶での焚き火。
口に含めば、上品な花の蜜を集め、灰を振りかけたようだ。


同点第9位
73.66 Aultmore 1989 24yo(オルトモア 1989 24年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
その香りは、古い屋敷のようであり、太い木の柱、石畳、ぽたっ、ぽたっ、と水の音が聞こえる。
口に含めば、すごく濃く、甘く煮たマスカットのよう。

あらかじめ注がれたウィスキー。さまざまな香りを放つ

第8位
53.209 Caol Ila 1995 15yo(カリラ 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
グラスに鼻を近づければ、渋い香り。海辺の雑木林。オイルサーディンの缶詰を温めるための小さな焚き火。海の音。
口に含めば、潮、生牡蠣。海藻。
無愛想な男に黙って注がれたい。


第7位
117.4 Cooley 1991 22yo(クーリー 1991 22年熟成)
【Kawasaki Point】
79point
【評価】
香りは、花畑に水晶玉をかざして、凝縮した風景。グラスいっぱいに甘いガムを詰め込んだような。
口に含めば、そのガムを噛んだような甘みが広がる。


第6位
3.216 Bowmore 1995 18yo(ボウモア 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
82point
【評価】
この香りの果汁感!スイカ、パイナップル、木苺、マンゴー。
口に含めば、そのまま舌の上でフルーツの幸福を分け与える。そして灰。
よくまとまったウィスキー。

参加者は口々に感想を

第5位
9.92 Glen Grant 1990 23yo(グレングラント 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
84point
【評価】
その香りの印象は、イタリアの婚礼音楽。カッチリした雰囲気もあるのにどこか陽気。
口に含めば、あっさりとしているのに力強い。

ボトルはどれも個性的


今回はなんと、同点1位が4つ。飛び抜けたものはなかった。


同点1位
50.57 Bladnoch 1990 23yo(ブラッドノック 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスに鼻を近づければ、乳酸。日にやけた木。旨味を感じる香り。
口に広がるのは、しめ鯖の寿司の旨味。


同点1位
39.102 Linkwood 1990 23yo(リンクウッド 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、クリーミーで、穏やかな詩を読んでいるような気持ち。香水としても成り立つ陶酔感。
口に含めば、スイカに生クリームを塗って食べた感じがする。


同点1位
2.86 Glenlivet 1992 22yo(グレンリベット 1992 22年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
魅惑の香り。
口に含む。あぁ、華やか。遠い憧憬を眺める、小春日和の午後。


同点1位
76.117 Mortlach 1988 25yo(モートラック 1988 25年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、土に染み込んだセメダイン。野菜のタネ。夏野菜を水で洗う。
口に含めば、上質な和食を味わった後に感じるバランス感。



サンプリング会は終わり、肌寒い秋の夜に、参加者は散り散りになっていく。今回は突出したウィスキーはなかったように感じられた。それは多くの参加者の共通した意見だったが、われわれは単に贅沢なだけなのかもしれない。
ウィスキーという単なる液体に、ついドラマのような感動を求めてしまっているのだから。



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: レポート:ウィスキーイベント

レビュー:SMWS 夏の試飲会2014 ~13本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの夏の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Spring Bottles Sampling)

世界最大のウィスキー愛好家団体であるSMWSが主催する、季節ごとの試飲会。日本でも数カ所で開催されている(開催情報はこちら)。今回も13本の新ボトルが振る舞われた。しかし今回の新システムではあらかじめ、なんと、「1本につきハーフショットずつ」注がれたグラスが目の前に並んでしまった。13本✕0.5杯=6~7杯、となり、、大変な酒量になった。強い人はいいけれど、律儀に全部飲んだら弱い人はダウンしてしまう・・というぐらい気前の良い会だった。

さて、今回も13本のボトルを13位から1位まで一挙紹介する。
(ウィスキーの名前の冒頭につけられた数字は、SMWS独自の蒸留所と樽を表すコードだ)

この日のための13本のボトル。ソサエティのボトルはラベル以外全部一緒。

予め並んだグラス


13位
53.204 Caol Ila 1995 18yo (カリラ 1995 18年熟成
【Kawasaki Point】
53point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、万年筆のペン先。紙とインク。
口に含めば、筆が進まず、原稿用紙に顔をうずめる。う~ん。


12位
50.54 Bladnoch 1990 23yo (ブラッドノック 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
69point
【評価】
グラスを香れば、細い酸味が上がってくる。パイナップルのニュアンス。
口に含めば年代物の日に焼けた木の板。
木が好きならのめり込む味。


11位
13.46 Dalmore 2005 8yo (ダルモア 2005 8年熟成)
【Kawasaki Point】
73point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、凝縮した桃。ブラックペッパー。
少量口に含めば、米粉のお菓子。上品な甘みとろうそくの炎。
口当たりの良い一杯。

それぞれのカラーリング

同点9位
76.115 Mortlach 1995 18yo (モートラック 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
その香りは、大きなトラックの巨大なタイヤ。
口に含めば、トラックはそのまま通り過ぎていく。
夏の日の一瞥(いちべつ)をくれた風景。


同点9位
59.50 Teaninich 1983 30yo (ティナニャック 1983 30年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
その香りは、鋭く尖った帆船の先端、切り込んでくるスパイス。甘く煮たオレンジピール。砂浜。
口に含んでいれば、ビリビリしびれる。舌の上でスパイスが弾けて銃撃戦が繰り広げられているみたい。


8位
123.8 Glengoyne 2001 12yo (グレンゴイン 2001 12年熟成)
【Kawasaki Point】
80point
【評価】
その香りは、古い本棚。古い木枠のガラス窓。
口に含めば、蜘蛛の巣がかかった書斎が浮かぶ。
この夏、近くの洞窟まで冒険に出ようか。避暑地の貸家でひと夏を過ごすワクワク感。


同点6位
3.220 Bowmore 2000 13yo (ボウモア 2000 13年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
その香りは、牡蠣のオイル漬けの缶詰を開けた瞬間に、期待を満たされたような満足感を与える。
そのまま目を閉じ口に含めば、そのまま世界にひたって、楽しめる。
安定した味。


同点6位
29.153 Laphroaig 1990 23yo (ラフロイグ 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、診断書を1枚燃やした診察室。銀色にピカピカ光っている器具。白衣とブラインド。
口に含めば、味わい深い木と、煙。
雰囲気のある、あたらしい家具屋のニュアンスも。

香りが立ち上る

同点3位
26.102 Clynelish 1984 29yo (クライヌリッシュ 1984 29年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、うっそうと生い茂るジャングル。ここは生命力に溢れていて何もかもが早く成長する。若いトラのなめらかな体毛。
口に含めば、安心と緊張の間にある夜の始まり。音と音の間の静けさに耳を済ませるのは、精神が統一されているリラックスからか、あるいは襲われまいとする生存への危機感からか。
個性の一撃。


同点3位
77.34 Glen Ord 2000 13yo (グレンオード 2000 13年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
その香りは、夏の果実を水で洗って、バスケットに盛りつけた。単純だが飽きが来ない。
口に含む。果実水をぎゅっと凝縮して、香水にしたら、このウィスキーになるだろう。



同点3位
17.38 Scapa 2002 12yo (スキャパ 2002 12年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、暖かな春の日に吹く潮風。甘く気だるいのは、流れている音楽のせいか。水着とサングラス。短いバカンス。
口に含む。素潜りをして楽しもう。海にプカプカ浮かんでいると、青い空に太陽が大きく見えてくる。
バカンスの思い出をボトルに詰め込んだら、このウィスキーになるだろうか。



2位
93.59 Glen Scotia 1999 14yo (グレンスコシア 1999 14年熟成)
【Kawasaki Point】
89point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、スミレのブーケ。生きている植物の香り。雨の日に木の板を伝う水。
口に含めば、夜に香る花と、花の香りを移した煙。
絶妙な陶酔感。

2014 サマーボトルサンプリング会

1位
121.68 Arran 1999 14yo (アラン 1999 14年熟成)
【Kawasaki Point】
93point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、休日の別荘で焼くピザ。パティオに畑が続いている。庭にテーブルセッティングをして。
口に含む。例え太陽の下でも、これはうまく飲める。みずみずしさと調和した濃厚な樽香はまるで、森の中の巨木。
崩れない物語とやすらぎをもたらす一杯。



言うまでもなく、参加者全員の評価が完全に一致することはないが、クライヌリッシュとスキャパは多くの人が高評価だったようだ。また、グレンゴインの重厚さを評価する声も多かった。うまいウィスキーが多かったが、私は特にアランには調和と驚きがあったと評価した。
会場を後にすると、夏のまだ明るい午後7時に高揚感が高まり、心持ち歩くスピードも速くなる。家路に着く人や、2軒目へと向かう人、語りあう人々。次の開催は秋だから、皆、それまでさまざまなウィスキーとの出会いを果たすのだろう。そしてまた秋の日の午後5時に、同じ場所に集うことになるだろう。



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: レポート:ウィスキーイベント

レビュー:SMWS 春の試飲会 2014 ~13本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの春の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Spring Bottles Sampling)
シーズンごとに開催される、5,000円でウィスキーがたくさん飲める会だ。

この通称SMWS(または“ソサエティ”と呼ばれる)という団体は、ウィスキーが好きな人々の間では結構有名で、各地の樽を買い付けて、独特のボトルデザインで会員のみに販売している。会員でなくとも、ボトルが置いてあるバーなら飲むことはできる。

さて、前回私が参加した会は試飲方法が改悪されて不評を買っていたが、今回は改善されていた。最初から目の前に自分の分のグラスが全種類並んでいた。これなら自分のペースで好きな順に飲める。
普段はワインが好きだという女性客も複数名参加していた。ウィスキーはぜんぜん知らないけれど、「勉強のために参加してみたいと思った」そうだ。イベントって大切なのだなと思った。ウィスキーとの素敵な出会いでありますように。

シーズンごとに開催されるソサエティの試飲会

並ぶグラス。果たしてどのような出会いがあるのだろう


今回も、ランキング形式で13本のウィスキーのレビューを一挙掲載する。


第13位
127.38 PORTCHARLOTTE 2003 10yo (ポートシャーロット 2003 10年熟成)
【Kawasaki Point】
56point
【評価】
香りは、風と砂埃。
口に含めば、くゆらせたパイプタバコの煙。


第12位
17.36 SCAPA 2003 11yo (スキャパ 2003 11年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
グラスから立ち上る、穏やかでたおやかだが、厚めに重ねた甘さ。
目を閉じ飲み込めば、ハチミツの向こう側に透けて見えるボート。


第11位
4.182 HIGHLAND PARK 1999 13yo (ハイランドパーク 1999 13年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
グラスが放つ果汁そのままの甘さ。
舌の上をすぎさっていく甘さ。


同点7位
28.24 TULLIBARDINE 1990 23yo (タリバーディン 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
鼻腔に感じる不思議な燻製感。心豊かになるふくよかさ。
この液体はまるで、焦がした樽を舐めているかのような。
アンティーク家具に囲まれて飲みたいウィスキー。


同点7位
46.22 GLENLOSSIE 1992 20yo (グレンロッシー 1992 20年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
グラスの放つ香気は、花の蜜と、古いテーブル。
その印象を頭に浮かべながら、あごを上げグラスから液体を流し込めば、華やかさを残したまま、木の個性と絡まり、美しさともいえるまとまりを見せる。


同点7位
72.35 MILTONDUFF 1984 28yo (ミルトンダフ 1984 28年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
この香りは、夏の果実、朝顔。桐の箪笥。
飲めば、煙い、甘みが少し深い。崩れないがドラマティックでもない。


同点7位
23.73 BRUICHLADDICH 2002 11yo (ブルイックラディ 2002 11年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
グラスを揺らすと香りが立ち上る。それはシンナーのようであり、キリリと尖った個性。狂おしい情熱。
少量口に含んでみれば、おぉ、バシャバシャと夏の海で水遊びする子供たちよ。朽ちかけた桟橋と、太陽よ。


同点5位
29.145 LAPHROAIG 1990 22yo (ラフロイグ1990 22年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
鼻から息を吸い込むと、煤(すす)を嗅ぎながら、オイルサーディンを開けるようだ。わずかに柑橘。
そのまま口に含めば、ぬるっとした煙感。
このウィスキーは味覚が鈍る厳しい冬の海でもこの個性を感じられるだろう。


同点5位
121.63 ARRAN 1995 17yo (アラン 1995 17年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
この香りは!目の覚めるような陶酔感、夏の朝の水やり後のツタ。水滴がキラキラしている。
グラスを傾け口に流し込めば、さわやかに水をゴクゴクのんだ感じ。体の芯があたたかい。



同点2位
G4.5 CAMERONBRIDGE 1979 34yo (キャメロンブリッジ 1979 34年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
ケーキ。小麦感。
おいしいウィスキー。


同点2位
35.102 GLEN MORAY 1974 39yo (グレンマレイ 1974 39年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
鼻で感じるこのウィスキーは、上質な木の煙。パイプの名品の木のツヤ。吸い込むたびに魂が癒される。
口の中で転がせば、上品な気の渋みと塩み。
逸品。


いよいよ、今回の1位は?


第1位
3.124 BOWMORE 1995 18yo (ボウモア 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
89point
【評価】
果実を蒸留したのかと思わせるほどの上品さ。銅の香り。
そっと口に含んでみれば、パウダーシュガー、お菓子のようなファンタジーを感じさせ、サーカスの夜に目を輝かせる子供のような気分。



午後5時からのサンプリング会が終わっても、街はまだ明るかった。これから徐々に暗くなるが、さほど寒くもない。ほろよいの気分で、さらに繰り出す者もいれば、しずかに家に帰る者もいるだろう。
それぞれが果たしたウィスキーとの出会いを胸に抱きながら、会は散り散りとなった。



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: レポート:ウィスキーイベント

レビュー:SMWS 冬の試飲会 ~13本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの冬の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Winter Bottles Sampling)
これは世界最大のウィスキー愛好家団体であるソサエティが、各地で買い付けたウィスキー樽をそのまま、ブレンドせず、加水せず、フィルターにかけずに提供するボトルの最新作をいくつか試飲する会だ。

これまで本ブログではこの会を、「5,000円で、12種類のウィスキーが飲み放題の会」と紹介してきた。しかし、今回からはちょっとシステムが変わってしまって、「指定された順番でしか飲めない」「おかわりもその順番どおりでしか飲めない」など制約が付いてしまった(※これは各会場のローカルルールがあると思う)。しかし、熟成年数も味の傾向も無視した「紹介表どおりの飲み順」など、ウィスキーを味や香りの嗜好品として理解していない無粋なシステムで、まことに残念だ。

このように、ソサエティの試飲会はかつて放っていた輝きを失い、ただの一ウィスキーボトラーの新作発表会(有料)になってしまった。しかしながら、これは飽くまでも試飲会の話だ。そのボトルの中身の輝きは依然として損なわれていないことは付け加えておくべきだろう。

2013 スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの冬の試飲会

まずは12位から順に発表。

同点12位
7.89 LONGMORN 1985 27yo (ロングモーン1985 27年熟成)
【Kawasaki Point】
56point
【評価】
香りは、甘く香る蜜、ややだれており、甘ったるい。渋みのある木。
口に含めば、そのまま入ってくるが、さほど印象のある香りは残さない。


同点12位
76.106 MORTLACH 1987 25yo (モートラック 1987 25年熟成)
【Kawasaki Point】
56point
【評価】
その香りは、シロップ、グレープフルーツジュース、煙突のすす。
口に含めば、花の蜜とグレープフルーツのミックスされたジュース。
デザートウィスキー。


11位
9.74 GLEN GRANT 2003 10yo (グレングラント 2003 10年熟成)
【Kawasaki Point】
67point
【評価】
グラスから立ち上るのは、甘く香るスイカ、お菓子のキャンディ、クリスマスの夜。
口に含んだ印象派は、音楽で言えば、高音ばかり強調しすぎたアリアのようだ。
情熱が散って砕けた後のようなウィスキー。



ここからが80点以上。ひと言でいえば「うまい」ウィスキーだ。

10位
121.65 ARRAN 1999 14yo (アラン 1999 14年熟成)
【Kawasaki Point】
84point
【評価】
香りは、ほぼシェリー。
口に含めば、やはりシェリー。
うまみはしっかりあるが、それ以上ではないウィスキー。


どのようなウィスキーに出逢えるのか

今回はほとんど85点以上のハイレベルの会だった。


同点6位
73.60 AULTMORE 1989 24yo (オルトモア 1989 24年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
グラスからは、くどくない松ヤニの香り。深く味わわせる。
口に含めば、煙が、深ーく、入ってくる。


同点6位
59.46 TEANINICH 1983 29yo (ティーニニック 1983 29年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
グラスから立ち上るのは、奥深くもすっきりとした香り。焦げたメロンの皮。
口に含めば、ゆるやかにほどける香りと、ジリジリと熱く迫る要素と。
バランスに優れているが、主張の大きくないウィスキー。


同点6位
29.146 LAPHROAIG 1995 18yo (ラフロイグ 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
グラスからは、廃れた潮の香ばしさ。小魚の旨味。焚いた松の葉。
口に含めば、、驚きはない。同じ印象が続き、終わる。


同点6位
85.27 GLENELGIN 1985 28yo (グレンエルギン 1985 28年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
グラスに鼻を近づければ、古城を思わせる苔感。佇まいに胸が熱くなる。
目を閉じ口に含めば、そぉーっと夜の森に忍び込む。それはまるでおとぎ話のように、城に囚われた人をさらうためか。静かな高揚感。池、沼、夏の夜。
歴史書でも開きたくなる、そんなウィスキー。


5位
35.95 GLENMORAY 1994 18yo (グレンマレイ 1994 18年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスに鼻を近づければ、清涼感のある潔い香り!
そっと口に含めば、熱く入ってきて、熱く溶けていく。
単純であるがゆえに、なんと凛としたウィスキーであることか。

遠い地からはるばるやってきたウィスキーたち

いよいよ上位のウィスキーたち。うまさに刺激されて言葉も溢れだす。


同点2位
53.194 CAOL ILA 1995 17yo (カリラ 1995 17年熟成)
【Kawasaki Point】
87point
【評価】
グラスから立ち上るのは、優しく穏やかな、収穫から少し日の経った柑橘、木炭画で描かれたテーブルの上の果物のシルエット。
口に含めば、大きく変化はしないが、もし疲れている時になにかを飲むとしたらこれがちょうど良い、という感覚を思い起こさせる。
香りの要素が限られていることで、木の筋が見えるようなウィスキー。


同点2位
66.44 ARDMORE 2002 10yo (アードモア 2002 10年熟成)
【Kawasaki Point】
87point
【評価】
目を閉じ、グラスに鼻を近づけてみれば、芸術にまで昇華された煙、古く日に焼けた大きな机、さまざまな傷が刻み込まれている、ニスの艶、傍らにはパイプタバコ。
グラスを傾け口に含めば、ロウソクの炎が風に揺れて、ふっと消え、暗闇、心臓の鼓動が聞こえる、あぁ秋の訪れだろうか、木の葉の揺れ合う音がする。
詩の世界からやってきたウィスキー。



いよいよ、2013年の試飲会を締めくくる冬の試飲会の最高峰の発表。今回はこちら。

1位
72.33 MILTONDUFF 1981 31yo (ミルトンダフ 1981 31年熟成)
【Kawasaki Point】
96point
【評価】
その香りは、冷たい水、おぉ命の水、親しくし過ぎない神秘の感じがある。
口に含めば、おお、これは何だ。美しい。丘の上に吹き抜ける風。
花のような美しいウィスキー。

※このミルトンダフは、日本のソサエティの20周年記念ボトルだ。これまでいくつかの記念ボトルが発表されているが、これはまさに締めくくりにふさわしいワンダーな一本だ。


今回のサンプリング会の突出した存在は、72.33のミルトンダフであった。これは概ね他の参加者にも共通した意見であったように思う。試飲会のシステムは後退してしまったが、こうした突出した一本に出会えることは大変な驚きに満ちていて、幸せなことだ。




最後に、記録のために、今回の番外編を紹介。
一般的なモルトウィスキーではなく、大麦以外の穀物からつくるグレーンウィスキーだ。(参考:シングルモルトと、ブレンデッドウィスキーの違いとは?)ソサエティはたまにグレーンやラムなど、モルトウィスキー以外のものもリリースしている。


番外編
G4.4 CAMERONBRIDGE 1979 34yo (キャメロンブリッジ 34年熟成)
【Kawasaki Point】
-point
【評価】
グラスを傾ければ、甘く香ばしい。誘われる。
口に含めば、すらっと入ってきて、ゆっくり溶ける。
家族団欒のときに、飲みたくなるようなそんなウィスキー。



以上、この冬の13本を紹介した。もちろん感じ方は人それぞれだが、あなたのウィスキーライフを深めるきっかけとなれば幸いだ。今宵も、よいウィスキーライフを。





Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: レポート:ウィスキーイベント

レビュー:SMWS 秋の試飲会 ~12本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの秋の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Autumn Bottles Sampling)
それ何なの?と思われる方が日本でも99.9%以上と思われるニッチな会だが、わかりやすく言えば、「5,000円で、12種類のウィスキーが飲み放題の会」だ。すべてのウィスキーは、世界最大のウィスキー愛好家団体のソサエティが、各蒸留所から直接買い付けた樽から、なにも混ぜず・加えずの状態でボトリングしたものだ。12本のボトルの中にはかなり長熟で価格が高いものも含まれるのでお得でもある。
春夏秋冬のリズムに合わせ、年4回開催される。(各地の開催情報はこちら

今回も、2013年秋の試飲会、12本のボトルのレビューをランキング形式で一挙掲載する。
(参考:今年の夏のレビュー春のレビュー

SMWS 2013 秋のサンプリング会 スタート!

同点11位
3.208 BOWMORE1989 24yo (ボウモア1989 24年熟成)
【Kawasaki Point】
73point
【評価】
香りは、ピーティ、酸味、太陽に灼けた砂。
口に含めば、ラベンダーが平べったく、かつ鋭く現れるが、まるでガラスケースの中に入っているようだ。
かつてそこになにか輝かしいものがあったことをうかがわせる遺跡のようなウィスキー。


同点11位
127.35 PORTCHARLOTTE 2003 9yo (ポートシャーロット2003 9年熟成)
【Kawasaki Point】
73point
【評価】
グラスから香るのは、強烈なピート、ペッパーと奥に隠れた柑橘。
口に含めば、ひたすらピートがあり、酸味とペッパー。おだやかさを感じる。
狭き門だが、くせになる可能性があるウィスキー。


同点9位
4.179 HIGHLAND PARK 1991 22yo (ハイランドパーク1991 22年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
グラスから立ち上るのは、かぼすとホワイトグレープフルーツの果汁に、それからペッパーを少しふりかけてシェイクした香り。木のコップに注がれている。
口に含めば、柑橘が持つべき甘みが舌の先で広がりながら、さっと消えてしまう。
余韻にわずかにオイリーさを感じるが、さらっと飲める。


同点9位
36.62 BENRINNES 1991 21yo (ベンリネス1991 21年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
グラスに顔を近づけると、すぅーっと垂直に細く立ち上る香り。色で例えるなら透明の青と水色の螺旋。わずかにペッパーを纏う。パイナップルをわずかに。
口に含めば、船で航海に出る気分。ジリリと熱く、バケットにレバーペーストを載せ、半分を一口で食べる。
食前酒にはぴったりな一杯。

ベンリネス1991 21年
ソサエティのタイトルは The Italian Job
訳せば「イタリアの仕事」


8位
53.191 CAOL ILA 1996 16yo (カリラ1996 16年熟成)
【Kawasaki Point】
82point
【評価】
香りは、木の酸味と煙。
口に含めば、ハーブの葉っぱを舌の上に載せて、甘みを味わいながら、煙が追っかけっこ。
穏やかですこし個性がくすぶったカリラ。冬ごもりしたときに飲みたい。


同点5位
29.140 LAPHROAIG 1995 18yo (ラフロイグ1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
香るのは、さわやかな柑橘をちりばめた、石釜の香り。
口に含めば、塩とあさりスープ。ディルとペッパー。鋭さではなく、角の丸い香り。
穏やかな情景の浮かぶラフロイグ。


同点5位
39.90 LINKWOOD 1990 22yo (リンクウッド1990 22年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
グラスから立ち上るのは、ポトフとブラックペッパー、少ししつこいくらいの木のこってりとした香り。
口に含めば、ポテトとブラックペッパーのスープ。
疲れたときの活力剤のような、日常にスパイスが欲しいときのためのウィスキー。


同点5位
44.58 CRAIGELLACHIE 1999 13yo (クライゲラヒ1999 13年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
グラスに鼻を近づけると、紫陽花のような香り。ハッサク。子供のビーチの砂遊び。
口に含めば、厚みのある草とミルク、干し草もある。
秋の星々をながめるときに飲みたいウィスキー。

クレイゲラヒ1993 13年熟成
ソサエティのタイトルは A Bittersweet Sensation
訳すと「ほろにがの大騒動」かな?


4位
1.174 GLENFARCLAS 1997 16yo (グレンファークラス1997 16年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
目を閉じてグラスに顔を近づければ・・、すこし奥まったところ、生垣に挟まれた狭い道をすこし歩き、小ぶりな鉄の扉を開ける。眼前に現れたレストランに期待値が上がる。
口に含めば、白いリネンのテーブルクロスの上に出された、バターの効いたスープ。フォークとナイフ。ロウソクと、ロウソクの光に照らされたオレンジ。
夏の宵の口の食事のひと時を想起させるウィスキー。


同点2位
17.34 SCAPA 2002 11yo (スキャパ2002 11年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
香りは、オレンジピールにかかったハチミツ!香水のように上品!太陽の光を想起させる。午睡(シエスタ)。うっとりする・・いつまでも香っていたい。
口に含めば、期待していた通りの塩キャラメル。船の木の板に塗ったオイル。
味わいの深い、映画のワンシーンのような洒落た一杯。

ソサエティのタイトルも Seaside holiday dram
訳せば「海辺の休日のひと口」



同点2位
71.39 GLENBURGIE 1985 27yo (グレンバーギー1985 27年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
香りは、夏のスイカ、腐葉土、ねっとりした温かみに湿度を感じる、イチジク、ほんのりと煙。
口に含めば、しっとり上品、イチジクの種を噛みながらよく味わっているような。スモーキーな紅茶。
昼下がりにゆったり味わいたいウィスキー。

ソサエティのタイトルは Sweetness gently tickled by oak
訳せば「オーク樽による甘美で優しいくすぐり」


1位
73.58 AULTMORE 1991 21yo (オルトモア1991 21年熟成)
【Kawasaki Point】
94point
【評価】
グラスに顔を近づけると、新鮮な驚き。水晶玉のアクアリウム、さわやかな森の香り、うすいスパイス。
口に含めば、バニラの木の香りがしっかり。スパイシーかつ中庸。チョコチップとスパイスが余韻として香る。
気の利いたバランスがとれた美しい一杯。

12本の中で頂点のオルトモア1991 21年熟成
ソサエティのタイトルは「Simple and seductive」
訳せば「シンプルで誘惑的」 う~んまさに!

バランスがとれた美しい一杯

今回のサンプリング会はハイレベルであった。点数も73~94点で、過去最高だ。
スキャパやバーギーを1位に推す声もあり、特にスキャパは「香り高い」という意見が多かった。
あっという間の2時間で、会が終わり店を出た。雨上がりの街は少し暗く、そして肌寒かった。もう秋なんだなと実感して、冬のサンプリング会はどんな風になるだろうかと少し考えたりした。

おのおの家路に着いて、余韻をかみ締めていたに違いない。



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: レポート:ウィスキーイベント

レビュー:SMWS 夏の試飲会 ~13本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの夏の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Summer Bottles Sampling)
この試飲会は、「5,000円で12種類のウィスキー飲み放題」の会だ。春・夏・秋・冬の毎シーズンに各地で開催される。20歳以上のあなたなら、気軽に参加できる。ウィスキーの知識などなくても「飲みたい」という気持ちさえあればいい。残念ながら夏の会はもう終わったが、また秋にあるだろう。
(イベントの開催情報はこちらのページでチェックしてほしい)
参考:春のサンプリング会のレビューはこちら

ちなみに「ソサエティ」とは、世界最大のスコッチ・ウィスキー愛好団体で、本部はスコットランドのエディンバラにある。世界のモルトウィスキーを樽で買い、樽出しのまま、一切ブレンドや加水せずリリースする。



今回は通常の12本に加えて、「ソサエティ日本支部設立20周年記念ボトル」が1本加わっていた。計13本のテイスティングの結果、13位から1位までを一挙公開する。
(ウィスキーの名前の冒頭についている数字は、ソサエティ独自の蒸留所と樽コード)
(点数の意味はこちら


13位
29.133 LAPHROAIG 1993 19yo(ラフロイグ 1993 19年熟成)
【Kawasaki Point】
56point
【評価】
香りは、夏の涼しい日陰の午後、ドライ、塩み、甘くふくよかなラフロイグ。
口に含めば、主張がはっきり、だがぼやける余韻。まとまりきっていない。
日本支部設立20周年記念ボトルのひとつだったが、期待が外れた。


12位
72.26 MILTONDUFF 1983 29yo(ミルトンダフ1983 29年熟成)
【Kawasaki Point】
58point
【評価】
香りは、暑い夏にはうっとおしい。安い甘み、たばこの煙。ウッディ、それだけ。
口に含めば、バニラ、トーストを木の皿で、小気味よく、甘くうっとり華やかになる。


11位
53.189 CAOL ILA 1995 17yo(カリラ 1995 17年熟成)
【Kawasaki Point】
68point
【評価】
香りは、ハチミツとミントがほのかに香る煙。頬ずりしたくなる優しい木の家具。鉄、水道の蛇口。
口に含めば、柔らかく入ってきた後に煙が暴れる。熱い余韻が狂おしい。驚きやバランスはもうひとつ。


10位 
31.25 JURA 1988 24yo(ジュラ 1988 24年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
香りは、生い茂る草むら、粉っぽい和菓子の砂糖、花。
口に含めば、スッキリ目覚める、華やか、しかし草つゆの爽やかさ。


9位 
1.169 GLENFARCLAS 1984 28yo(グレンファークラス 1984 28年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
香りは、シナモンの乗ったバニラアイス、メープルシロップがけ。
口に含めばスパイシーで、ジリジリと香り、うまみを伝える。少し味わいの厚みが薄い。


同点6位 
4.176 HIGHLAND PARK 1991 21yo(ハイランドパーク 1991 21年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
香りは、スッキリしており、ひんやりとした大理石、スイカ、火薬、麦々しさ。
口に含めば、クリアー、透明感、夏の鉄道レール。


同点6位 
G10.3 STRATHCLYDE 1988 24yo(ストラスクレイド 1988 24年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
※これはグレーンウィスキー。
おだやかでゆったりとしている味わい、通常ブレンデッドの土台となるグレーンウィスキーだが、これなら単体として成り立つ。素晴らしいグレーン。


同点6位 
76.102 MORTLACH 2003 9yo(モートラック 2003 9年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
香りは、夏の日の水さし、バニラ、ジンジャー、バナナの華やかさ。
口に含めば、甘みと同時に感じる潮味。展開される香味のバリエーションは限定的だが、主張はハッキリとして、しかもまとまっている。これが9年の熟成とは・・。


同点3位 
121.61 ARRAN 2002 10yo(アラン 2002 10年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
香りは、醤油の酸味、バター、バナナ、空間的な奥行きを感じる。
口に含めば、ゆっくりと展開していく。ザ・シェリーな一杯。


同点3位 
9.70 GLEN GRANT 1995 17yo(グレングラント 1995 17年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
香りは、まず最初にかなり強めのアルコール感、そのあとに香木。
口に含めば、インパクトの強いアルコールだが、クリーミィ、時間をかけて少しずつ分解されていく・・。不思議な扉をあけていく。煙。そして憧れ。


同点3位 
127.30 PORT CHARLOTTE 2002 10yo(ポートシャーロット 2002 10年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
香りは、煙の立ち込める数奇屋の茶室、ミントキャンディ、珪藻土。
口に含めば、刺激の奥に甘さ、しかしその後、スーッと消える。意外性のあるウィスキー。


さて、いよいよ今回の1位。なんと2つのボトルが同点。


同点1位
3.203 BOWMORE 1988

3.203 BOWMORE 1988 24yo(ボウモア 1988 24年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
香りは、華やかでおだやか、ほのかにラベンダーが香る。
口に含めば、プレゼントされたひと束のラベンダー。大きな花束ではなく、ひと束。渡されて、胸元にある。いつまでも嗅いでいられる香り。


同点1位 
39.89 LINKWOOD 1990

39.89 LINKWOOD 1990 22yo(リンクウッド 1990 22年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
香りは、あまさの奥に隠れたスパイス、山小屋、青空。
口に含めば、熱さも清流もある。複雑な要素を、秀逸なバランスでまとめている。



今回のサンプリング会では、「実力派ぞろい」というのが参加者の共通した意見であった。中には、私が9位にしたグレンファークラスを1位に挙げる人もいた。また、私が3位に挙げたアランの評価は人によってはずっと低かった。ただ、記念ボトルのラフロイグを推す声は聞かれなかった。

17時からの2時間で終わったサンプリング会だが、夏の19時はまだ空が明るく、もう一軒足を運ばずに入られなかった参加者も多かったようだ。まぁ、かくいう私も・・・。



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: レポート:ウィスキーイベント

映画のレビュー:『天使の分け前』 世界初のウィスキー映画

映画 『天使の分け前』(Angels' Share)を見た。小気味よい展開。2013年カンヌ映画祭審査員賞受賞。
世界的にも珍しいスコッチ・ウィスキーを前面に押し出した映画だ。
といっても、スコッチ・ウィスキーをつくろう!とか、ウィスキーをめぐる愛憎劇とか、そういう類のものではない。この映画でのウィスキーは舞台装置であり、“きっかけ”なのだ。(だからウィスキーを知らない人にもオススメできる)

『天使の分け前』公式画像。引用

といっても、蒸留所の見学ツアーのシーンや、たくさんの樽の眠る貯蔵庫のシーン、テイスティング、オークションのシーンなど、ウィスキーに興味がある人やウィスキー好きの人が「ニヤッ」とすることは間違いない。ウィスキー評論家のチャールズ・マクリーン(雑誌「ウィスキー・マガジン」創始者)が、ウィスキー評論家の役でかなりガッツリ出演していたことは驚きだ(しかも演技も上手かった・・)。

ではどういったストーリーなのか?
その詳細に言及してしまうと、シンプルなだけに即ネタバレとなる。
全編を通して感じられるのは、イギリス映画的なシニカルなユーモア。皮肉が効いてるっ!ってやつだ。
ウィスキーなどぜんぜん知らない荒くれ者が(映画の中の表現では「クズ」)が主人公で、実はよい鼻を持っていることを発見する。・・・といっても、彼が隠れた天才的なテイスティング能力を発揮し、更生する・・・・という単純な流れでなく、ウィスキーに興味を持つきっかけに過ぎない。

まずウィスキーは立ち直りの“きっかけ”を与える。彼女との間に子供ができて、今のままじゃダメだと立ち直ろうとし始める彼を導いてくれる良き指導者がいる。ハリーというオジサンだ。ワルたちの社会奉仕活動の取りまとめ役だ。このオジサンがなかなか良い味をだしている。主人公のロビーに子供が出来たことを知ると、「もらいものだが」といって、スプリングバンクの32年を棚からスッとだしてくる。いかにグラスゴーが舞台でも、スプリングバンクの32年が出てくるというのは、この指導者のハリーがウィスキー好きであることの良い紹介の仕方だ。

次にウィスキーは、主人公が小さな旅をするとき、人間のいろんな面を知る“きっかけ”を与える。
前半では主人公がいかに「クズ」かということが丁寧にリアリティをもって描かれている。この主人公目線でウィスキーをめぐる大人たちを映し出すことで、皮肉が効いてくる。希少価値の高いウィスキーが高騰していく一方で、本当にその味が分かるのか、といった“矛盾”や、正しいことと正しくないことの“ものの見方”が、印象づけられる。善と悪をハッキリ分けてしまうハリウッド映画にはない複雑性を奏でている。

最後は小気味よく締めくくる“きっかけ”としてウィスキーが最高の登場をする。
これはぜひ観てほしい。まさに『天使の分け前』だ。


この映画の感想を、ウィスキーの香味の表現に置き換えるなら、苦く、ビターで、ヒリヒリとする刺激を持ちながらも、まろやかな樽香、そして、ミントのような爽快な後味、やや長めのホワイトオークの余韻・・。といったところだろうか。
複雑な味わいだが、「クズ」と呼ばれる若者の状況に対する監督の愛情が感じられ、「善き指導者」への想いが明確に感じられる。そして、ウィスキーはブルジョアないしエリートと呼ばれる層が似合う飲み物ではなく(それはワインに任せておいて)、もっと幅広く人間に希望をもたらす飲み物であるという感覚も全体に流れている。


尚、日本の著名なウィスキー評論家の土屋守氏は「オークションで1億円を突破するようなウィスキーが“モルトミル”であるというのは、やられた!という感じ」という趣旨のことを書いていた。
ウィスキー好きの人向けの、ちょっとマニアックな話だ。


たまには映画をつまみに・・・、今宵もよいウィスキーライフを。


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Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: レポート:ウィスキーイベント

レビュー:SMWS 春の試飲会 ~12本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの春の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Spring Bottles Sampling)
分かりやすく言うと「5,000円で12種類のウィスキーが飲み放題」、という大変お得な会だ。まぁご想像の通り、アルコール度数の高いウィスキーをガバガバ呑めはしないのだけれども。春夏秋冬の季節ごと、全国で年4回開催されている、通称「おとなの飲み放題」だ。(開催情報はこちら

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティは、ボトラーズ。いろんな蒸留所から樽を買って、いい感じの時に瓶詰めして販売する。このボトラーズの特徴は、会員しか買うことが出来ないという点だ。(実際には会員に買ってもらったものを譲り受けたりすれば、会員じゃなくても手に入れられるけど)また、このボトルを入れているバーもちらほらある。

SMWS 2013年 春のボトルサンプリング会


今回は2013年春に発表された12種類のボトルのテイスティング・レビューを掲載する。
12位から1位までを一挙公開。
(ウィスキーの名前の冒頭についている数字は、SMWS独自の蒸留所と樽コード)


12位

R 1.4 PORTMORRANT1991 21yo (ポートモーラント1991 21年熟成)

【Kawasaki Point】
53point
【評価】
香りは、ミントキャンディ。古い木の棚。口に含めば、まとまった味わいだが、紹興酒。
ソサエティから出るラムとしてはハッキリ言って期待はずれ。前回のラム(R5.2)は良かったのに・・。


11位

33.128 ARDBEG 2005 7yo (アードベッグ 2005 7年熟成)

【Kawasaki Point】
68yo
【評価】
グラスに鼻を近づければ、炭の香りが強く主張する、青々とした茎の太い草を感じる。
口に含めば、煙が上がってくるが、同時に青臭い。


10位

37.53 CRAGGANMORE 1985 27yo (クラガンモア 1985 27年熟成)

【Kawasaki Point】
68point
【評価】
香りは甘くスパイシー。スパイスの上に柑橘のピール(皮)が乗る。アルコール感は強め。
口に含めば、刺激が小さく弾ける。アルコールに乗ってバーボン樽。肉汁、コンソメ、ブラックペッパー。香りの奥行きを感じる。
早めの時間に一杯飲みたい。



9位

93.54 GLENSCOTIA 2002 10yo (グレンスコシア 2002 10年熟成)

【Kawasaki Point】
71yo
【評価】
漂う香りは、清涼感のある、冬の生きている獣の毛の香り。
グラスを傾け一口含めば、鹿の毛を口に入れたかのよう。トウガラシパウダー。


8位

85.25 GLEN ELGIN 1999 13yo (グレンエルギン 1999 13年熟成)

【Kawasaki Point】
78yo
【評価】
グラスから立ち上る香りは、さわやかなぶどうとパイナップル、マスカットのミックスジュース。
口に含めば、少し煙たいバーベキューのほとりでかじった木の板。


7位

73.54 AULTMORE 1992 20yo (オルトモア 1992 20年熟成)

【Kawasaki Point】
80yo
【評価】
香りは、スイカ。ホースの水。陽炎と、山の上で突如吹く風の清涼感。
口に含めば、ヒレ肉、バターガーリック。木のうまみ。焦がした金網。


6位

29.128 LAPHROAIG 1990 21yo (ラフロイグ 1990 21年熟成)

【Kawasaki Point】
85yo
【評価】
薫るのは、燻製と、正露丸。少しのペッパー。
口に含めば、燻製したシャケトバ。囲炉裏の鉄瓶に垂らした醤油。
山荘にこもって書き物をしたくなるウィスキー。


5位

41.55 DAILUAINE 2004 8yo (ダルユーイン 2004 8年熟成)

【Kawasaki Point】
86yo
【評価】
グラスから薫るのは、花々がトラックの荷台に揺れて、麦畑を進む風景。
口に含めば、ゆっくりと分解されていく麦の味。まとまりと主張を感じる。


4位

64.42 MANNOCHMORE 1990 22yo (マノックモア 1990 22年熟成)

【Kawasaki Point】
86yo
【評価】
香りは、オレンジとグレープフルーツのかご。ガラスの中の煙。
口に含めば、シェリーの緩やかな香り。ぎゅっと詰まってはいない味。オレンジピールの苦味。
主張は強くはないが、何気ない午後に本を読みながら飲みたい。


3位

44.56 CRAIGELLACHIE 1989 23yo (クレイゲラヒ 1989 23年熟成)

【Kawasaki Point】
86yo
【評価】
グラスに鼻を近づければ、うっとりする畳の間の香り。バターの枯れた草。優雅。
ところが口に含むと、一転してスパイシー。花々の香り。うすくゆっくり二つ隣の席のドライフルーツを感じる。
香りと味に裏切りがあり、微笑をもたらすウィスキー。


2位

27.100 SPRINGBANK 2000 12yo (スプリングバンク 2000 12年熟成)

【Kawasaki Point】
87yo
【評価】
香りは、水仙のような華やかさ。鉄。水。
口に含んで舌でころがせば、華やかさは水に溶けて穏やかに香る。水苔。花弁を乾燥させた感じ
後味が鉄なのに、激しさではない。味わいを感じる。


1位

7.81 LONGMORN 1992 20yo (ロングモーン 1992 20年熟成)

【Kawasaki Point】
88yo
【評価】
香りは、缶詰のパイナップルの汁。湿度を感じる(ドライではない)。ホワイトペッパー。
口に含めば、ゆっくり滑らかなのに鋭くうまみ。ただし果実感ではない。
爽やかな夏の朝に、風でレースカーテンが揺れ、ゆっくり時間が流れるかのようなウィスキー。



今回のサンプリング会には、スコットランドはエディンバラから参加した人もいた。SMWSの会員で、日本旅行中にインターネットでサンプリング会があると知り参加したという、筋金入りのウィスキー好きだ。彼のお気に入りはオルトモアとラフロイグだった。ちなみに、グレンスコシアのスコシア(scotia)は、スコットランド(scotland)の古い言い方だ、というプチ情報もくれた。
また、参加者の中には私が11位にしたクラガンモアを1位に挙げる人もいた。また、6位のラフロイグは、「長熟の割りに期待を裏切られた」という声もあった。1位にしたロングモーンはやはり概ね評価が高かったようだ。

とにもかくにも春の宴は、さまざまの幸せそうな声で包まれていた。