レビュー:ラガブーリン 2010 12年 甘いイチゴのコンポートと・・・

Lagavulin 2010 12yo Limited(ラガブーリン 2010 12年熟成 限定)を飲んだ。87点。
アイラ島という小さな島にあるラガブーリン蒸溜所のシングルモルト、ラガブーリンは16年熟成がもっとも有名であるが、12年熟成のものは本数限定でリリースされている。
映画『天使の分け前』では「アイラ島のプリンス」とも表現されていたラガブーリン、はたして12年熟成はどのような香味だろうか?


【評価】
グラスに鼻を近づければ、白い薬袋、花畑、暖炉の灰。すぅーと甘い香りが立ち昇る。フレッシュな梨をすり潰して。
口に含めば、甘いイチゴのコンポートとバニラアイス。雨の日のアスファルト。そのまま、香りの中にある何かを追いかけるが甘く包まれ方向感覚を失う。
落ち着く香りと、雨の日の読書。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:Lagavulin 2010 12yo Limited(ラガブーリン 2010 12年熟成 限定)
地域:Islay, アイラ
樽:American Oak, アメリカンオーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


うっすらと舟が描かれている

ナチュラルカスクストレングス
加水していない、という意味

甘いイチゴのコンポートとバニラアイス

白い薬袋、花畑、暖炉の灰

落ち着く香りと、雨の日の読書。


ラガブーリン蒸溜所はアイラ島というイギリスの小さな島に位置している。地図を拡大してみて。



レビュー:バルブレア1989 まるで草原に吹く風を・・・

BALBLAIR 1989 24yo(バルブレア 1989 24年熟成)を飲んだ。93点。
バルブレアといえば、ブレンデッドウィスキーの「バランタイン」の原酒としても有名で、シングルモルトとしてはあまり馴染みがないかもしれない。最近では『天使の分け前』という映画のメインロケ地として注目された。
ところで、近ごろのバルブレアのオフィシャルボトルは箱のデザインのインテリア性の高さも注目に値すると思う(参照:オフィシャルページ)

さて、このウィスキーの香味やいかに。

バルブレア1989
パッケージとボトルデザインはシリーズ化されている

【評価】
グラスに鼻を近づければ、木のふしあなから覗く草原。樹齢の若い木。ただしそのシグネチャー(特徴のある形)はすでにはっきりとしている。夏のコテージ。
口に含めば、夏草。さわやかさと、くつろぎ。まるで草原に吹く風を両手を広げて感じているかのような。ほんのわずかなイチゴ。
牧歌的でありながら上品。幸せに包まれて生まれてきた子羊を見つめるあたたかな周囲の目のような。

【Kawasaki Point】
93point

【基本データ】
銘柄:BALBLAIR 1989 24yo(バルブレア 1989 24年熟成)
地域:Highlanda, ハイランド
樽:Oak, Bourbon,  オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

近ごろはパッケージデザインの美しいボトルが増えている

"B"


1989蒸留 2013瓶詰め


バルブレア蒸溜所の位置を地図で確かめてみて。



レビュー:カバラン ポーディアム ショートケーキの生クリームの濃度で・・・

KAVALAN Podium(カバラン ポーディアム)を飲んだ。88点。
ウィスキーといえば、イギリス、日本、アイルランド、アメリカ、カナダが有名だが、近頃はニューワールド・ウィスキーと呼ばれる比較的新規参入の国々のウィスキーも楽しまれている。
カバランは台湾のウィスキーで、暑い国なので熟成はかなり早く進むらしい。
この“ポディウム”はおそらくオーケストラの指揮台を指しているものと思われる。カバランの他のシリーズではコンダクター(頂極指揮)とか、ソリストなどの音楽に関係するタイトルがつけられているからだ。

さて、このウィスキーの香味やいかに。

カバラン ポディウム(ポーディアムとも)
ウィスキーインポーター田中様よりご提供御礼

【評価】
グラスにそっと鼻を近づければ、崇高なハチミツの香り。メリーゴーラウンドのキラキラした一瞬を切り取ったかのよう。そして、日本家屋の柱。
口に含めば、ライトで奥ゆかしい甘み。ショートケーキの生クリームの濃度で舌に襲ってくるが、すっと引いていく。木の渋みも味わわせるがあくまで穏やか。その様が面白く、もう一口、含みたくなる。
上品な甘みを味わいたければ、どうぞ。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄:KAVALAN Podium(カバラン ポーディアム)
地域:Taiwan 台湾
樽: American White Oak,   アメリカンホワイトオーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

くどくならない紫


崇高なハチミツの香り

もう一口、含みたくなる





レビュー:グレンドロナック バッチ3 甘くて少しミルキィな・・・

GLEN DRONACH CASK STRENGTH BATCH3(グレンドロナック カスクストレングス バッチ3)を飲んだ。85点。
同蒸留所のカスクストレングスシリーズの3番目のリリース(参考「カスクストレングスとは」)。グレンドロナックと言えば、シェリー樽が濃くでているイメージがある。ウィスキー原酒を「どんな樽で熟成させるか」は、そのウィスキーの個性を決定づけるが、一般にシェリー樽熟成させたウィスキーはチョコレートのようなキャラメルのような、その他のフルーツのような、「深い」甘みをかたちづくる。

さて、このボトルの香味やいかに。

グレンドロナック カスクストレングス バッチ3

【評価】
グラスから立ち上る香りは、スモークしたハチミツを木の器に入れて食卓に載せる。同じ食卓にグリルしたチキンがあり、ブラックペッパーが効いている。手前の左のハチミツ、右にチキン、そして奥の方にグレープフルーツ。
口に含めば、甘くて少しミルキィなキャラメル。焦がした木片。
おっとりとしているが深い。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:GLEN DRONACH CASK STRENGTH BATCH3(グレンドロナック カスクストレングス バッチ3)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ボトルキャップには「グレンドロナック蒸溜所」とある

ジェームス・アラダイスが1826年に創業した
グレンドロナック蒸溜所

BATCH 3
しっかりと濃い色

ノンチルフィルタード=冷却濾過せず、樽のほぼ全成分をそのままに
ナチュラルカラー=色素を添加せず樽からだしたそのままの色


ミルキィなキャラメル。焦がした木片。

「グレンドロナック」は「クロイチゴの谷」、という意味。蒸溜所の場所を地図で確かめてみて。