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レビュー:ツインアルプス イチゴのさわやかな甘み・・・

マルス ツインアルプス(TWIN ALPS by MARS)を飲んだ。78点。
流通力のあるウィスキーを紹介した「1,000円台ウィスキーシリーズ」のひとつでもある。

さて、どのような香味なのだろうか。

マルスウィスキー ツインアルプス

【評価】
グラスから立ち上る香りは、透き通った温度の低い水、古びた校舎の木の窓枠。ストレートなアルコールの香り方、少し姿勢を正したくなる。
口に含めば、イチゴのさわやかな甘み。厚い柾目の木の板。そして、後に上がってくる熱いアルコール。
シンプルで要素も多くはないが、端正、というべきまとまりをもつウィスキー。

【Kawasaki Point】
78point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:マルス ツインアルプス(TWIN ALPS by MARS)
地域:信州、Shinshu
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

軍神マルスをイメージしたロゴ




ストレートなアルコールの香り方、少し姿勢を正したくなる

シンプルで要素も多くはないが、端正





レビュー:アムルット フュージョン 透き通る優しい・・・

Amrut Fusion(アムルット フュージョン)を飲んだ。83点。
アムルットといえば、インドのディスティラリー(蒸溜所)で、ニューワールド系で台頭している有名どころだ。このフュージョンは、原料の大麦をインド産とスコットランド産の両方を使っている(=融合)という意味のようだ。
さて、どのような香りを見せてくれるのだろう。



【評価】
グラスから立ち上る香りをそっと吸い込めば、鼻腔に広がる花畑とハチミツ、薄くレモンのヴェールを覆った世界。高い山から向き下ろす風が爽やかに吹き抜ける。
口に含む。なんだこの甘みは。透き通る優しいフルートの音色。ヴァイオリン三重奏。飲むほどに目が覚めていく不思議な甘み。
上品さが特有の甘み。

【Kawasaki Point】
83point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Amrut Fusion(アムルット フュージョン)
地域:India, インド
樽:oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャル

1948年創業のようだ

fusion(融合)の文字の両サイドにWest(西洋)とEast(東洋)がある

2010年のウィスキーバイブルで著者のジム・マーレイ氏が
97pointの高評価をつけた

受賞歴の多い波にノッているウィスキー

広がる花畑とハチミツ、薄くレモンのヴェール

透き通る優しいフルートの音色









レビュー:ベイリー・ニコル・ジャーヴィー ハチミツに果汁の・・・

Bailie Nicol Jarvie(ベイリー・ニコル・ジャーヴィー)を飲んだ。87点。
ウォルター・スコットの小説『ロブ・ロイ』の登場人物の名前のようだ。ロブ・ロイはスコットランドの実在した伝説的人物だが、そのエピソードはアウトローな雰囲気に満ち満ちている。(看守とウィスキー飲み勝負をして、看守を酔い潰して脱走したとかetc..)
きっとこのウィスキーを名づけた人は、そんな小説の雰囲気に憧れて登場人物の名をとったに違いない。さて、どのような香味のウィスキーなのだろうか。

ベイリー・ニコル・ジャーヴィー

【評価】
グラスから立ち上るアロマは、そよ風の運んでくるイチジクブレッド。モンシロチョウの飛び交う畑。風鈴にしてある備長炭の高い音。ニ長調。
そっと口に含めば、ハチミツに果汁のエッセンスを加えてアイスクリームのソースにする。バニラとクッキー。
上品でバランスの良いお菓子のような味わい。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:Bailie Nicol Jarvie(ベイリー・ニコル・ジャーヴィー)
地域:Highland, ハイランド など
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

通称「BNJ」

トラディショナルなフォント

Very Old、中身は8年熟成以上のようだ

ちなみにキーモルトはグレンマレイと言われている

そよ風の運んでくるイチジクブレッド

上品でバランスの良いお菓子のような味わい






レビュー:カバラン 蒸溜所限定 スピード感のある短い曲・・・

KAVALAN Distillery Reserve(カバラン ディスティラリー・リザーブ)を飲んだ。89点。
カバランは台湾の蒸溜所で、いわゆる5大産地ではない“ニューワールド”系だ。新しい蒸溜所がどんどん生まれ、流通しているのは素晴らしいことだ。日本から最も近い国の蒸溜所でもある。
今回飲んでものは、カバランの中でも蒸溜所でのみ販売されている「蒸溜所限定」の一本。
さて、どのような香りと、味なのだろうか。

カバラン ディスティラリーリザーブ

【評価】
グラスから香るアロマは、甘い薪、ブッシュドノエル、リネンのテーブルクロス、ハチミツの皿。重厚な木の椅子。まっすぐ高い背もたれ。
グラスを傾け、液体を舌の上に流し込めば、一瞬にして柑橘が弾ける。イチゴ、マンゴー、さまざまな色合い。同時にピートが飛び出す!濃くてスピード感のある短い曲を聴いているかのよう。濃いバター。
陽気な煙を後に残す。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:KAVALAN Distillery Reserve(カバラン ディスティラリー・リザーブ)
地域:Taiwan 台湾
樽: Oak,   オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

銀色に光っている箱

KAVALANは漢字表記だと「金車」

このなんとも言えない“高級感”

2007年蒸留、2014年ボトリングの6~7年熟成。
わずか6、7年でこの熟成とは・・・
気候の生み出すマジックだ

濃くてスピード感のある短い曲を聴いているかのよう。





レビュー:駒ヶ岳 ザ・リバイバル 2011 六月の雨上がり・・・

駒ヶ岳 ザ・リバイバル 2011(KOMAGADAKE THE REVIVAL 2011)を飲んだ。56点。

「駒ヶ岳」ブランドを生み出しているマルスウィスキーの生みの親は岩井喜一郎という人物だ。この人、“マッサン”として知られるジャパニーズウィスキーの父、竹鶴政孝と縁が深い。当時、竹鶴政孝をスコットランドへウィスキー留学させてくれた会社の上司が岩井喜一郎であったのだ。(そもそも政孝は岩井喜一郎を頼って摂津酒造に入社した)
ところで、ウィスキー蒸溜所の経営はギャンブルの要素が多く不安定だ。マルスウィスキーもしばらく蒸留をストップしていたが(その間も熟成させていた原酒でリリースはしていた)、2011年に19年ぶりに新規の蒸留を再開した。そして、蒸留再開後の初リリースがこのボトル。最低限の3年しか熟成させていないが、「REVIVAL(復活)」のネーミングにつくり手の意気込みがうかがえる。

さて、このボトルの香味はどうだろうか。

The Revival 2011 駒ヶ岳

【評価】
爽やかな麦の香りと強烈なアルコール!森林浴をしているような爽やかさの後ろに乳酸のうまみ。
六月の雨上がりの苔むす森林。爽やかでありながらも鮮烈な印象。
あぁ、ここにウィスキーが生まれてきたのか。

【Kawasaki Point】
56point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:駒ヶ岳 ザ・リバイバル 2011(KOMAGADAKE THE REVIVAL 2011)
地域:信州、Shinshu
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

マルスウィスキーのエンブレム

稜線をイメージしたエンボスの施されたボトル

6,000本限定

非常に若い色。美しい。









レビュー:ラフロイグ1998 8年 Whisky Fair 灰にレモン果汁が・・・

Laphroaig 1998 8yo Limburg Whisky Fair Artist Edition(ラフロイグ 1998 8年熟成 リンブルグウィスキーフェア アーティストエディション)を飲んだ。86点。
リンブルグ・ウィスキー・フェアといえば、ドイツの都市リンブルグで毎春に開催されるウィスキー好きの祭典で、さまざまなボトラーがウィスキーを持ち寄って展示&試飲&販売するという、いかにも愉しそうなお祭りだ。
このボトルはそのお祭りからリリースされた一本。

リンブルグ・ウィスキー・フェアからの一本

【評価】
グラスを傾け鼻を近づければ、灰のかかったレモン。熟した果肉が温められ、あたりに香りを放つ。灰の上にパラパラと塩をまいて。どこかお菓子のような柔らかさ。
口に含めば、灰にレモン果汁が染み込んで行くスピードで、口中に柔らかく激しい煙が広がる。イチゴのコンポート。
落ち着きのある情熱を秘めた一杯。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Laphroaig 1998 8yo(ラフロイグ 1998 8年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak,  Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Limburg Whisky Fair Artist Edition(リンブルグウィスキーフェア アーティストエディション)

Artist Edition Laphroaig 1998 8 years old

熟した果肉が温められ、あたりに香りを放つ

口中に柔らかく激しい煙が広がる


リンブルグはだいたいこのあたり。







レビュー:カバラン ポーディアム ショートケーキの生クリームの濃度で・・・

KAVALAN Podium(カバラン ポーディアム)を飲んだ。88点。
ウィスキーといえば、イギリス、日本、アイルランド、アメリカ、カナダが有名だが、近頃はニューワールド・ウィスキーと呼ばれる比較的新規参入の国々のウィスキーも楽しまれている。
カバランは台湾のウィスキーで、暑い国なので熟成はかなり早く進むらしい。
この“ポディウム”はおそらくオーケストラの指揮台を指しているものと思われる。カバランの他のシリーズではコンダクター(頂極指揮)とか、ソリストなどの音楽に関係するタイトルがつけられているからだ。

さて、このウィスキーの香味やいかに。

カバラン ポディウム(ポーディアムとも)
ウィスキーインポーター田中様よりご提供御礼

【評価】
グラスにそっと鼻を近づければ、崇高なハチミツの香り。メリーゴーラウンドのキラキラした一瞬を切り取ったかのよう。そして、日本家屋の柱。
口に含めば、ライトで奥ゆかしい甘み。ショートケーキの生クリームの濃度で舌に襲ってくるが、すっと引いていく。木の渋みも味わわせるがあくまで穏やか。その様が面白く、もう一口、含みたくなる。
上品な甘みを味わいたければ、どうぞ。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄:KAVALAN Podium(カバラン ポーディアム)
地域:Taiwan 台湾
樽: American White Oak,   アメリカンホワイトオーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

くどくならない紫


崇高なハチミツの香り

もう一口、含みたくなる





レビュー:バランタイン ファイネスト 春の日の土の香り

Ballantine's Finest(バランタイン ファイネスト)を飲んだ。86点。

コンビニウィスキーシリーズが好評で、リクエストいただいたのが今回の「1,000円台ウィスキーシリーズ」だ。出会えるか出会えないかわからないような、高価で貴重なウィスキーも素敵だが、どこの酒屋でも出会えて「手に取りやすい」という流通力の高いウィスキーも、同じように素敵だと思う。
そこで今回は、実勢価格がおおよそ1,000円台のブレンデッド・ウィスキーを中心にレビューを連載する。
(ちなみに、このブログの評価は単に「香味」だけで、「価格・コストパフォーマンス」は含んでいない)

バランタインのファイネストはいわゆるノン・エイジで、ブレンドされている原酒が何年熟成かは明記されていない。一般的に言って熟成年数を縛らないほうがコストを抑えられるが、“コスト”と“ウィスキーの香味評価”にはほとんど関連がない。
さて、その香味やいかに。


【評価】
グラスから立ち上る香りは、蜂の飛ぶ花園。気品漂うアールデコの手すりとレンガと蔦(ツタ)。赤とピンクのバラが咲いている。春の日の土の香り。木のチェアに腰掛けた老人のパイプ。
口に含めば、老人に手招きされ、庭のティーテーブルで頂くお茶。レモンと蜂蜜。砂糖も載せて。
目を閉じ、ゆったりと味わうのとのできるウィスキー。気品に昇華されたバランス。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:Ballantine's Finest(バランタイン ファイネスト)
地域:Highland, ハイランド など
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

プラスチックのスクリューキャップ。密閉度は高いといえるだろう

鮮明な印刷のグラフィック




庭のティーテーブルで頂くお茶

気品に昇華されたバランス





レビュー:カバラン ソリスト バーボン ハチミツとバラの・・・

KAVALAN Solist Bourbon(カバラン ソリスト バーボン)を飲んだ。86点。
ウィスキーインポーターのエマナックの田中様よりご提供御礼。
(ところで書評ブログへの本の提供はよく見かけるが、ウィスキーブログへのウィスキーの提供はまだまだこれから、といったところで、比較的新しい動きではないだろうか。当ブログではよくもわるくも自由に表現させていただく前提で、ありがたく頂戴しております)

さて、その香味やいかに。

カバラン ソリスト バーボン樽 ご提供用のミニサイズ

【評価】
グラスから立ち上る香りは、生ぬるいハチミツ。ジンジャーとスパイス。濃厚。花の蜜が幾重にも重なったような。
口に含めば、ハチミツとバラの花びらがとろける。濃厚なバニラのような。
アジアの高層ビルから見下ろす夜景。

※非常にこってりとしているが、下品にならないバランスの取り方がカバランらしい。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:KAVALAN Solist Bourbon(カバラン ソリスト バーボン)
地域:Taiwan 台湾
樽: Oak,   オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル



ハチミツとバラの花びらがとろける。